仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

 平山郁夫、仙がい

うひゃーっ、展覧会がめじろ押し……と、これから載せようと思う情報を整理していて焦っています。秋ですねえ。せめて東京展だけでもいくつか行ければ。
9月に入って訪れたのは次の2つ。

当館で現役画家の個展が開かれるのは珍しいです。氏の作品は日頃からぽつぽつと見る機会があるものの、こうして60年というキャリアを大規模に回顧する展示約80点を目の当たりにすると、その一貫した姿勢に心打たれます。
ことに〈仏陀への憧憬〉と題された第1室の作品の数々の崇高なこと。ここで心が定まると、次室で対面する「ブダガヤの大塔」や「阿育王石柱」、「西蔵布達拉宮」などもただの建造物ではなく、信仰の対象として見つめ、描かれていることがじわりと伝わってきます。
平山作品はいずれも描く事物をど真ん中に配置しているのですね、その潔さが印象的でした。

(※タイトルならびに本文にある仙がいの「がい」は本来、崖の山のない漢字1字です。コンピュータ上で表示できないので仮名表記します)
毎年なんらかの形で開かれている仙がい展、今年は他展と併設ではなく単独開催の約100点。毎年見ているのに、いまだに初めて見る作品が少なくありません。出光コレクションすごすぎ。仙がい作品の収蔵は約1000点だそうで。一人が生涯に書ける枚数を推測し、没後170年の間に散逸したであろう数を差し引いて考えますと、こりゃとてつもない数字だと思います。
有名作品の的確な解説はもちろんのこと、展示のしかたで〈旅〉や〈収集癖〉など面白い切り口が随所にあり、同展への意気込みがひしひしと感じられます。
当展のチラシにもなっている「指月布袋画賛」はよく知られていますが、今回は布袋さんの絵が計3点も出ていて、あとの2つがこれまたケッサクでした。