仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

 夏目漱石展を見た

 特別展「文豪・夏目漱石 そのこころとまなざし」
  江戸東京博物館 9/26〜11/18

さほど広くないスペースにパネルで巧みな道筋を造って資料800点(!)を展示。その大半は蔵書、そしてメモや原稿類。なんだか虫干しが目的じゃないかと思えなくもないです。
文豪ゆかりの遺品(東北大学ほか所蔵)に、関連する新聞紙面のコピー(朝日新聞社提供)と、その時代の風俗資料(江戸東京博物館蔵)で構成。
ファンにとってはかけがえのない品々ばかり、なのですが、当ブログの性格上ここでは仏教関連の出陳品にしぼってメモしておきます。

  • 「宗演禅師居士名簿」(東慶寺蔵)
     漱石は1894(明治27)年12月末から約2週間、鎌倉の円覚寺塔頭帰源院に参禅。その際の参加者名簿で、姓名(夏目金之助)と住所(わけあって北海道)が記されています。あわせて釈宗演禅師の写真(藤田三男編集事務所蔵)と帰源院山門の写真(個人蔵)を展示。
  • 「松石図」(夏目漱石筆、帰源院蔵)
    「墨竹三竿図」(同、個人蔵)
     〈晩年の漱石は神戸の若い僧と文通をしていた〉。その一人、富沢珪堂に「松石図」を、もう一人の鬼村元成に「墨竹三竿図」を贈ったといいます。
  • 「『明暗』反古草稿」(夏目漱石筆、江戸東京博物館蔵)
     説明文に〈原稿用紙の表裏にびっしりと漢詩が書かれている〉とあるのですが、展示されている原稿用紙の文字は「衆生無邊誓願度……」、漢詩ではなく四弘誓願でした。