仏報ウォッチリスト

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 世論のお墨付き

前回書き込みの『旧かなづかひで書く日本語』(萩野貞樹=著、幻冬舎新書)についての追加です。
本書に《舊字、いや正字はカッコいい》という章があり、ここに興味深い話がありました。新かなに変換して抜粋しますと、
〈平成十六年に法制審議会人名用漢字を一挙に五百字ほども増やそうとしたとき、その五百字の中に「癌」だの「屍」だの「姦」だのという字が入っていたので大騒ぎとなり、これらが削られた。人々が反対したために、せっかくの「自由化」がせきとめられ、制約することがいわば「世論」となってしまった。役所も世論のお墨付きを得た。〉(取意)
著者は〈「当用漢字」「常用漢字」やその新字体などを強制・強要するのはやめたらどうかといふ考へ〉だそうなので、すぐにそう感じ取ったのでしょう。
私はそうそうそんなこともあったと報道の記憶がよみがえるとともに、これが当初から仕組まれたものだとすれば頭いい人がいるもんだと、今さらながら感心した次第です。