仏報ウォッチリスト

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 ボーコレを見た

12/15に築地本願寺で「東京ボーズコレクション」が開催されました。そのもようが数々のメディアで好意的に取り上げられて、喜ばしいかぎりです。
当日の盛況ぶりは報じられている通り。で、蛇足と思いつつも、その場に居合わせた者として、ちょっと補足を。
報道の中心を成しているのは法要の散華の場面です。たしかに美しかった、これは本堂で行われた「プンダリーカ・ライブと東京ボーズコレクション法要」という3時間近い企画の、後半のクライマックスに当たります。当日はこれにかぎらず、境内のすべてを開放して文化祭のように同時並行でさまざまなイベントが催されていました。
「ライブと法要」を拝見して正直すごいと私が思ったのは、本編もさることながら、それぞれのしめくくりに置かれたお坊さんのお説法でした。法事の最後に導師から一言、というのは当然の式次第でしょうけど、この企画の流れではなんだかとても新鮮だったのです。
第1部は小説『杜子春』をラップありダンスありのライブとして見せ、その終了後、出演者の一人でもあるお坊さんが、芝居の内容に絡めて家族にまつわる短い法話をされた。これが見事にはまりました。突飛な演出をするでもなく自分の言葉で淡々と語るのを、みんなじっと聞き入る。観衆の心に確実に届いていると思えました。
第2部の法要の終わりには、各宗の僧侶が勢揃いした舞台で、当寺の御輪番さんが挨拶。宗派を超えたイベントが実現した、これこそ仏教が説く縁というものです、と。それは圧倒的な舞台を見た誰しもが何の抵抗もなく理解できたはず。
僧侶の面目躍如に、思わずうなりました。
それともう一つ、この第1部と第2部の間に休憩を挟まなかったのがエラい。会場には一見お寺に不似合いな若い女性たちも多くいらっしゃいました。おそらく第1部のスター的な出演者を見に駆けつけたのでしょう。その子たちに第2部のオーソドックスな法要までまんまと見せてしまった。ほとんど席を立つ人はいなかった。やってくれたなあ、と思いました。
お坊さんってカッコいい。惚れ直しましたよ。