仏報ウォッチリスト

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 新聞文字が大きく

読売新聞と朝日新聞が3月31日から紙面の文字を大きくするそうです。


実施日が横並びというのがなんだか気持悪いけど、それはさておき。
今回の変更点を比較してみますと、

    読売新聞   朝日新聞
1頁の段数 12段(現在は14段) 12段(現在は15段)
1行の字数 現在と同じ(12字) 13字(現在は11字)
字の縦寸 16%拡大 7%拡大
字の横寸 7%拡大 現在と同じ
字の太さ 太く (06年に太く変更)



これだけ見ると似たり寄ったりですが、告知記事を読むと、方向性に微妙な違いが。
特徴的なのは、実際に新紙面の感想を寄せている読者代表の年齢です。読売が、一般読者(70歳、15歳、71歳)、歌人(45歳)、俳優(66歳)。対して朝日は、アート・ディレクター(43歳)、ギャル社長(22歳)、作家(46歳)。
つまり読売はどちらかというと高齢者の視力の衰えに配慮し、いっぽう朝日は比較的若い層の新聞離れを食い止める努力をアピールしている感じです。
なのに、具体策が同じようになってしまうってのはどういうことなのでしょうか。
たとえば両社とも、偶数段なので二つ折りの折れ目が文章を分断することはないことを強調していて、上記アート・ディレクターには「電車内などで新聞を折り畳んで読むことも多いですから」と言わせています。
でも今、通勤ラッシュの車内で読売や朝日を読む人なんてほとんどいない気がします。見かけるのは日経をチェックする人、あとわずかな人が文庫本を広げるほかは、みなケータイです。このへんの感覚がずれていると思うのです。
どうせ改革するなら、コンピュータ組版が全盛でもまだ「流し組み」は有効か?とか、広げるだけで幅をとる「ブランケット判」の面積が必要なのか?とか、もっと手の打ちようがあるはず。しかし、このへんはたぶん“聖域”なんでしょう。
文字が大きくなれば、入る文字数は必然的に減るのに、〈情報が減ることはありません〉(読売)や〈情報量の面でもご満足いただきたい〉(朝日)と付け加えずにはいられないところが、何だかなあ。べつに、これで価格据え置きなら実質ていのよい値上げじゃないか!とまでは申しませんけど。