仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

 でたらめ稼業

スミマセン。本業で煮詰まっていてブログ更新どころではありませんでした。雑誌次月号の発行なんとかめどがつきました。
2月は日数が少ないからツライ、というのは勝手な言い訳でした。今年はうるう年で1日多いし、かりに今月が31日まであったとしても、それを当てはめると末日は日曜なので、どっちにしたって月末の納品日は29日金曜でした。だから苦しい原因は日頃の怠慢以外の何ものでもありません。
締切に追いつめられ、のしかかる重圧。日ごとに息苦しさは増し……と思いきや、息苦しいのは仕事のせいでなく、たんに花粉症の兆候の鼻づまりでした、というオチ。
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2つ前に「新聞文字が大きく」なるというトピックを書きました。よく考えてみると、読売と朝日のリニューアルする日が一緒なのは、広告がらみの理由みたいです。各紙で同じ広告を掲載するためには、天地の寸法が同じでなければなりませんからね。広告主様のご意向は大切です。
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朝日新聞2月25日付科学欄(東京本社発行朝刊31面)に、《ミクロの進化「運」が左右/常識破る日本発「中立説」40年》という大きめな特集記事があります。
その説を唱えた木村資生という科学者の名は知っている。理系の話題に疎い私がどこで聞いたんだろうと記憶をたどると……あ、そうだ、佐々木閑著『犀の角たち』(大蔵出版、06年)で覚えたんだ。
当紙面もいちおう解説記事なのですけど、どうもポイントが分かりにくい。そこで同書にたずねてみると、自然淘汰が「良いものだけを選び出す作用」だというダーウィン進化論に対して、木村は「悪いものだけをつみ取る作用」であり「良いものなどどこにもない」と主張したのだといいます。
ダーウィンの進化論は素晴らしい。(中略)ダーウィンのおかげで、生物進化の中の神の視点はすべて消滅したように見える。(中略)木村の中立論は、ダーウィン進化論に残っていた見えざる神の視点を明るみに出し、根本的な改革を迫った画期的な説である。〉
〈進化とは決してより良い一方向に進む運動ではなく、出たとこ勝負のでたらめ稼業なのだ。(中略)我々人間とは、悪い要素を間引きしているうちに残った種々雑多な要素の、偶然の組み合わせによって生じてきた生き物だということになるかもしれないのである。〉
以上『犀の角たち』第2章から抜粋。それにしても、科学の専門的話題の確認を仏教書に求めて合点が行くってのも妙なもんですねえ。