仏報ウォッチリスト

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 日本建築…を見た

先日、国立歴史民俗博物館で企画展示「日本建築は特異なのか 東アジアの宮殿・寺院・住宅」を見ました(8/30まで)。
さほど広くないスペースに、「宮殿」「寺院」「住宅」と「建築生産」の四部構成。言うまでもなく建築の実物を展示するわけにはゆかないので、写真と文章のパネル説明が主体。文化祭の研究発表みたい。とはいえ担当研究者は世界水準ですから、レベルの高さはお墨付きです。
展示のポイントは、日本を知るために比較したのが欧米ではなく、中国・韓国だということ。そこには共通性と独自性とを同時に浮き彫りにする意図がみえます。具体的に言うと、中韓の住宅で共通し日本だけ違うのは基壇や玄関の有無、日韓が共通で中国だけ違うのが対称性や座り方、といった具合。「住宅」の項ではそういった特徴を写真付きの対照表で示してくれます。
「寺院」に関しての話題は、他宗教(儒教神道)の影響、組物(軒から屋根を支える部材)の意匠、仏塔の内部(階層の有無)など。勉強になります。
立体の展示物としては、建物の模型が計7棟あります。これ作る仕事は楽しいだろうなあと思いながらしげしげと眺めました。ちなみに平安神宮模型の作者は伊東忠太です。