仏報ウォッチリスト

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 中川一政の蔵書

中川一政美術館へ行ってきました。
真鶴半島の突端から原生林の中の遊歩道を15分くらい歩いて戻ると当館に着きます。隣接する展望公園で同行者がソフトクリームを買って休息している間に、走って拝観。
大胆な絵も好きですけど、熱い書がまたいい。展示室の一つに墨書作品が10点あまり。言葉は中国の古典から引いた漢字が多いようです。
目を引いた《守口如瓶》という四字書は、出典が「不明」となっています。仏典由来かなあとも思いましたが、いま検索してみると中国語サイトでふつうにヒットする語なので、たぶん中国語圏の慣用句なのでしょう。日本語のことわざ紹介サイトにも「口を守ること瓶(かめ)の如くす」とありました。
落款の一つには「陀羅尼印」というのがあります。これ、どう使うのでしょう?
隣地の管理棟では中川一政のアトリエを復元し公開しています。部屋の中央が制作中に座していた位置。右の壁に額縁がいくつも立てかけられ、左の棚には未使用の絵の具がぎっしり。その絵の具の上に書籍が並んでいて、「会津八一全集」「鈴木大拙選集(か?)」「正法眼蔵」などの背表紙が見えます。白隠禅師の画集らしきものも。これが蔵書のすべてではないにせよ、最晩年のアトリエに仏教書がたくさん置いてあるのは興味深く思いました。