仏報ウォッチリスト

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 「新羅へ」を見た

古代オリエント博物館で企画展「ユーラシアの風 新羅へ」(9/6まで)を見ました。韓国の国立博物館で開催された展覧会を受けた企画だそうで、だから説明パネルは "Korean peninsula" を「韓半島」と表記しています。
展示品からは、当地が西アジアや地中海地方と地続きであることを強く感じます。ガラス器や装飾品など、交易で持ち込まれたものもあれば、模して作ったものもあります。こうして見ると日本はしょせん離島であり、選別された一部のものしか届いていなかったのだなと思えてきます。それが良かったのか悪かったのか……。
リュトンというのは動物の角(つの)型の杯で、尖った側に獣面などを装飾してあります。ギリシャで生まれ、イラン、中央アジアなどで出土しており、新羅でも作られたといいます。これは日本にないなあ、と思ったら、日本でも6世紀前半の一時期に限って用いられたらしく、奈良・明石・美浜での出土品が展示されていました。6世紀前半までということは、仏教公伝とともに消えていったともいえますが、はたして関連があるのでしょうか。
騎馬文化に由来する文物というのも日本とはちょっと縁遠いですね。朝鮮…もとい韓半島は決して単純に日本と中国との中間と位置づけて理解できるものではないことを改めて知りました。