仏報ウォッチリスト

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 近代美術館へ寄った

所用のついでに東京国立近代美術館へ足を伸ばしました。目的もないのに立ち寄る気になるのは、ぐるっとパスを携行しているおかげです。所蔵作品展「近代日本の美術」をぶらぶらと観覧。
最初の「明治・大正期の美術/文展開設前後」のフロアに仏教がらみの作品が3点ありました。
中村不折「賺蘭亭図(たんらんていず)」は、僧弁才の手元にあった王羲之「蘭亭序」を太宗皇帝の使者が検分する場面。皇帝は手に入れた「蘭亭序」を自身と一緒に埋葬したと言われおり、その定めを匂わせるスリリングな描写です。
原田直次郎「騎龍観音」は、護國寺蔵の寄託作品だそう。大判で1890年作とは思えない劇画調。
菱田春草「賢首菩薩」は、則天武后の問いに答える華厳宗第三祖法蔵。淡い同系の色使いが貴く感じます。ちなみに作品のルビは「けんしゅ…」、広辞苑では「けんじゅ(ゲンジュとも)」となっています。