仏報ウォッチリスト

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 能面能装束展を見た

先日、大倉集古館で「新春を寿ぐ 大倉コレクション 能面・能装束展」を見ました。
能面の女性の顔は、額から耳元へ描かれる前髪の筋がきれいに並行しているか途中で交差しているかで意味合いが変わることを知りました。でもその微妙な違いって、実際の上演で見てわかるものなのでしょうか。
装束で目を引くのはその意匠。菱、鱗、格子模様など。なかでも仏教的に注目は、輪宝模様。〈剣先が八方に突き出した車輪型、古代インドの武器を源流とし、仏法護持の象徴〉。意外にモダンです。
1階奥に、「江口 演目に見る能の扮装」というコーナーがあります。冒頭にお能『江口』の筋書解説〈遊女であった前世を嘆き舞を舞う江口の君は、この世の無常を諦観して悟りを得、普賢菩薩に生まれ変わり、舟は白象に転じて浄土へと消えていく〉。続いてこの演目で使う面と衣装の展示があって、その先にいらっしゃるのが、常設の国宝「普賢菩薩騎象像」。なんともニクい演出じゃないですか。