根津美術館で「いのりのかたち」展を見ました。昨秋新創した記念特別展の第7部で、館蔵の宗教美術品30件。
愛らしい中国金銅仏に始まり、来迎図、高麗仏画ときて、圧巻は密教画。その中心をなす2メートル四方の「金剛界八十一尊曼荼羅」に目を奪われました。この細緻な描き込みは縮小した印刷物では絶対に分かりません。
絵巻2点「絵過去現在因果経」と「十二因縁絵巻」がたっぷりと広げられています。仏像は常設ロビーにあって、全館がいのりの空間。
根津コレクションの宗教美術品といえば何はさておき「那智瀧図」なのですが、これは第1部で登場したので今回はなし。あと古写経類も含まず。それでもこの厚み。
なんでも初代根津嘉一郎は仏寺の建立を計画して土地も用意していたとか。審美眼に優先する深い信仰心を感じる展覧会です。
