永青文庫で展覧会「禅僧の書画」を見ました。主に細川護立が蒐集した日本の近世禅画50点あまりを前後期に分けて展示、その後期を鑑賞。
会場では、力強さ/おごそかさ/ユーモア/かわいらしさ、をキーワードにそれぞれ二、三点ずつ選ばれて展示されています。しかし各作品にはそうした区分を飛び越えてゆく勢いがあり、分類しようとする試みがかえって、強さと同居するかわいさとか、荘厳な中に秘めた笑いなど、一筋縄でゆかない禅画の魅力を示唆しているように思えました。
「達磨図」がメイン会場に5点、別フロアに3点あり、これを見比べるのも一興。技巧だけで言えば、どうも見劣りするのが白隠禅師の画。でもいちばん禅画らしいのもまた白隠作品なのです。うまければいいというものでもない。そういえば別フロアにある釈宗演の達磨さんも情趣がありました。
個人的に好きな画は、やはり仙がいさんの作品。愛らしい「看経図」に釘付け。
そもそも書画の魅力を言葉で伝えるのは難儀なことなのですが、さいわい禅画には「賛」という言葉書きがあります。展示品の賛をいくつかここに書き出して、紹介に替えさせていただきます。