読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

 「那智瀧図」展

根津美術館で「新春の国宝那智瀧図 仏教説話画の名品とともに」を見ました。同館コレクションから宗教画を中心に22点。いろんなの持ってるんだなあと驚嘆しました。
那智瀧図は定期的に展示されていて(前回は3年前)、出品自体はさほど珍しくないのですが、今回は展示方法が斬新。第二展示室を奥の間の袋小路にして、そこへたった1点だけ贅沢に掛けてあります。まるで礼拝堂。
こうして拝見すると、那智瀧図は全方位型なのですね。左右どちらに寄っても、部屋の最後方まで下がっても、その存在感は変わりません。もちろんガラスに額を付けるようにして眺めるのもよし。うろうろして、つい長居。
他の展示物も決して添え物ではない佳品揃いです。人物を描くタッチの似ている作品が多いように感じるのは、やはりコレクターの趣味が反映されているのでしょうか。以下、簡単な覚え書きです。
「絵過去現在因果経」は鎌倉時代の写本。達者な絵のわりに経文は雑。「羅漢図」2件、南都眉間寺旧蔵は色落ちしているものの妖しい雰囲気、東福寺旧蔵はなじみある豊かな彩色。「天狗草紙絵巻」は物語の結びにあたり、天狗が勤勉に仏道に励むうちに仏になってゆく場面。「善光寺縁起絵」はインドから百済経由で渡ってきて難波の堀に投げ入れられてという善光寺本尊の来歴を絵解きする三幅対。「矢田地蔵縁起絵巻」はところどころに金箔が残存。「融通念仏縁起絵巻」は良忍の生涯を描く。「高野大師行状図画」は5種ある系統の第3のものだそう(?)。「地獄菩薩縁起絵巻」は炎の表現に迫力あってまさしく地獄に仏。「善導大師像」は褪せない金色の半身が眩しい。
テーマ展示室の茶室に「小松引図」という絵が掛かっていました。文字通り子どもに小さな松を引き抜かせる新年行事とのこと。初めて知りました。