仏報ウォッチリスト

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 起請文と牛玉宝印

國學院大學博物館で企画展「起請文と牛玉宝印」を見ました。人との約束を神仏にかけて誓う起請文は、寺社が発行する牛玉宝印という護符を刷った紙の裏に書くことが伝統となっています。現存最古の史料は1266年にまで遡る東大寺関連の文書だとか。そうした貴重品は写真パネルで見せつつ、両面のバリエーションを紹介する企画です。
起請文の歴史的価値は、その文面から当時の生活や文化が分かることにあります。血判を押したものもあり、その誓いがいかに重要だったかが知られます。一方、牛玉宝印はもともと身の守りにしたり家の戸口に貼り付けたりされたそうです。その消費材がなぜ今まで残されてきたのかというと、起請文が大切に保存されてきたからに他なりません。さまざまな牛王宝印が紹介される章では、すぐれたデザイン性が目を引きます。
起請文の料紙としての牛王宝印というのは、現代で言えばお札に透かしが入っていたり、領収書に収入印紙が貼ってあったりするようなものでしょうか。牛王宝印はかなりの需要があったはずですから、寺社側が積極的に売り込んだ面もあるのかなと想像したりもしました。
http://www.kokugakuin.ac.jp/oard/KGUM-activities_tenji_sp_201303.html