仏報ウォッチリスト

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 久能寺経を見た

昨日、東京国立博物館へ行ってきました。現在は特別展「皇室の名宝」が展示替えのためお休み。常設展示の国宝室に「久能寺経」の展示があり、これに関連して催されたギャラリートーク「平安時代の装飾経」を聞くのが目的。講師は学芸研究部長・島谷弘幸先生。
仏教公伝以来の写経の歴史を分かりやすくご解説。おおざっぱに言って、奈良時代の写経は国家事業平安時代になると宮廷・貴族による装飾をこらした写経に。法華経が中心なのは、法華信仰で写経成仏と女人成仏が説かれるから。背景には末法思想も。
装飾経は料紙の裏も美しいからこちらを見てもらう展示をやってみたいという抱負や、金銀を貼り付けた装飾経はなかなかフラットに展示できないという苦労話などを、興味深く拝聴しました。
講演終了後に本館の1・2階を走破。くだんの経典類と仏像のほか、仏教関連で目にとまったのは、「一休和尚像」、葛飾北斎筆「羅漢図」、横山大観筆「十六羅漢」でした。