仏報ウォッチリスト

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 「醍醐寺」

渋谷区立松濤美術館で「御法(みのり)に守られし 醍醐寺」を見ました。展示替え分も含めて全44点とこぢんまりした内容ながら逸品揃い。夏の奈良国立博物館の特別展とは直接関係ないようで、冒頭の説明によると、館長さんが以前に醍醐寺の展覧会を担当したのが今回の縁になったとのこと。
仏画が8点、順に拝見すると平安・鎌倉・室町と時代の違いが見えてきます。本展のメインが「過去現在絵因果経」、印刷物で見るよりも人物の表情の描き方が細かく味があり、経文も丁寧。端正な装飾経が2点。
そして空海「大日経開題」。これは予想していなくて驚きました。展示部分の前半は、一字ずつぽつぽつ書き写したような感じですが、途中からいきなり行書が混じったりして見応えがあります。通や道などしんにょうの漢字が印象的。
ほかに階を変えて絵画や什器など。醍醐寺聖教は武将3人に関する文書で、人気はあるでしょうが、お寺関係の書を見たかったとも思います。それでも、空海の真筆1点だけで十分に来た甲斐がありました。