仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

「一休」展

五島美術館で、特別展「一休 とんち小僧の正体」を見ました。担当学芸員の名児耶明先生が講演する時間に合わせて訪館。展示を見る前に特別展の意図を聞けたのは有意義でした。

お話は図録の論考「一休の墨跡」と重なる内容ですので、ここから引用する形でまとめると、
・一休の墨跡の現存品は桁外れに多い。ある調査で378点。次に多い夢窓疎石でも162点。
・茶会の掛物の記録を調べると、江戸時代に入って一休の墨跡が使われることが増える。それも一行書。
・江月宗玩による鑑定コメントは八割方が、怪しいとか偽物など。
・書かれた年齢を整理すると、勢いあふれる字は60代で、晩年の80代は和らいで落ち着いている。誰もが一休らしいと感じて人気があるのは60代の書風。

つまり、一休の人気上昇に乗じて60代の書きぶりを真似た一行書の贋作が量産されていったということ。だからそのたぐいは今回の展示から一切外したというのです。ただし真珠庵の「諸悪莫作/衆善奉行」は4字ずつ対の2幅の対聯だから例外、「初祖菩提達磨大師」は祖師号なので一行書とは別物という判断だそうです。

展示の冒頭は、掛け軸の一休宗純像がずらり。現存22点のうち19点を集めた(展示替えあり)というのですから恐れ入ります。ここで注目すべきは肖像画ではなく、その上に記された自賛です。ゆかりの寺に伝わる頂相に記された文章ですから、自筆を疑う余地はありません。これらを年代で追うと上述の60代と80代の特徴が明白です。

続いて圧巻は、号を与えた証書5点。大きく道号や軒号の2字が書かれ、その下に説明書きの小文字、末尾には日付と署名。大小の字の書き分けが見てとれると共に、内容も雀の死を哀れむとか、童女に与えたものなど奮っています。

梅画賛も贋作が多いジャンルだといいます。展示品の梅画は文面と筆跡の同じものが上記の2字書の中にあり、同じ日に書いた可能性もあるとか。ちなみに虚堂智愚を描いた絵が梅花像と呼ばれ、その虚堂の肖像に一休が自分は虚堂七世だと記している頂相も展示中。

同じ文言の遺偈が2点あり、片方だけ重文。ほかに著書や本人使用と伝えられる沓・笠・袈裟など。

この展覧会のテーマは2つ。まず上に挙げた一休の書についての考察。そしてもうひとつは、とんち話を虚像として検証すること。たまたま部屋の大きさでそうなったのかもしれませんが、没後のとんち話は第2会場にまとめて厳格に区分しています。説話集や講談本から近年の絵本まで、よくも集めたと思える資料の数々。ちなみにとんち話の主人公が小僧として描かれるのは意外に新しく、明治中頃以降とのこと。

虚像をただの作り話と切り捨てるのではなく、これもまた一休の大事な要素として扱われているのに好感が持てます。風狂で反骨精神の旺盛な実像の中にすでに、日頃から尾鰭がつきそうなふるまいがあったのかもと想像せずにはいられません。

「安宅」「鉄輪」

国立能楽堂お能「安宅」と「鉄輪」を見ました。

「安宅」は初見。言わずと知れた「勧進帳」の元版。作り山伏の逃避行、義経は剛力(強力)に身をやつし、弁慶が偽の勧進帳を読んで関所を突破する。総勢12人で威圧、弁慶が義経を金剛杖で打擲するしぐさが直接的で驚く。歌舞伎のような苦悩はなし。
「それ山伏といつぱ、役の優婆塞の行儀を受け、其の身は不動明王の尊容を象どり、兜巾といつぱ五智の宝冠たり。十二因縁の襞をすゑて戴き、九会曼荼羅の柿の篠懸(すずかけ)。胎蔵黒色の脚絆(はばき)をはき、さて又八つ目の草鞋(わらんづ)は八葉の蓮華を踏まへたり。出で入る息には阿吽の二字を唱え、即身即仏の山伏を、ここにて討ち止め給はん事、明王の照覧測り難う。熊野(ゆや)権現の御罰を当たらん事、立所に於いて疑ひ有るべからず」
結びに「虎の尾を踏み毒蛇の口を遁れたる心ちして、陸奥の国へぞ下りける」とあり、黒澤明の「虎の尾を踏む男達」の由来はここかと知りました。
渡辺保『能ナビ』によると、ポイントの一つは直面(ひためん)であること。「能は感情を全て抽象化するから」。もう一つは義経を子方が演じること。「表現しにくいものを空洞に……白紙の記号。あとは観客のイメージにまかせる」。
それにしても、この話はこの舞台で見る必要があるのでしょうか。お能に求めているものはこういうものではないという気がします。解説『マンガ能百番』の解説(増田正造)には、「出藍の誉れということわざがある。…能から出た歌舞伎の中でこれに当たるのはおそらく『安宅』を移した『勧進帳』だけだろう」とあり、納得。

つづいて「鉄輪」。これは3回目(前回は2014-04-11)。舞台前の解説で、浮気をされると男は相手の女を恨み、女は恋敵の女を恨むというお話がありました。たしかに、鬼となった女が打ちすえるのは、男女の形代のうちの後妻の髪。さらに怖いのは、「時節を待つべしや。まづ此度は帰るべしと、云ふ声ばかりは定かに聞え…目に見えぬ鬼とぞなりにける」、まだ気が済んでおらず、また来るというのだから、たまったものではありません。

2015年10月の展覧会

2015年10月に始まる展覧会から、日本およびアジアの文化・芸術・宗教に関連した内容のものをピックアップします。引用文は主催者サイトからの抜粋です。(情報収集にあたりましては、観仏三昧さんのデータを参考にさせていただきました)


仙台市博物館宇和島伊達家の名宝―政宗長男・秀宗からはじまる西国の伊達―」10/9〜11/23
 宇和島藩と仙台藩の歴史的なつながりを軸に、宇和島伊達家に伝来した名宝の数々を紹介します。江戸時代の宇和島藩の姿や、華やかな大名文化に触れることのできる貴重な機会です。
http://www.city.sendai.jp/kyouiku/museum/tenrankai/next.html

福島県文化財センター白河館まほろん「ふくしま復興展Ⅱ よみがえる文化財」10/17〜12/6
 東日本大震災等で被災した福島県内の文化財の救出活動と、その再生に向けた取り組みを紹介する企画展です。今回は、南相馬市須賀川市をはじめ、県内各地で被災した文化財等を展示し、東日本大震災以降に行われてきた文化財救出活動や、民俗芸能等の無形民俗文化財の保護活動等についても紹介します。
http://www.mahoron.fks.ed.jp/bosyu/2015_fukkou2_tenji.htm

福島県立博物館相馬中村藩の人びと」10/10〜11/29
http://www.general-museum.fks.ed.jp/01_exhibit/exhibit_top/exhibit_top.html

静嘉堂文庫美術館「金銀の系譜 宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」10/31〜12/23
 国宝 俵屋宗達源氏物語関屋・澪標図屏風」、重要文化財 尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」が、このたび長い修理を終え静嘉堂に戻ってきました。今回、それぞれの代表作として名高いこの2点の新たな装いを修理後初披露するとともに、宗達・光琳・抱一にまつわる書画工芸の数々を一堂に展示いたします。
http://www.seikado.or.jp/exhibition/next.html

増上寺宝物展示室「狩野一信の五百羅漢図展」10/7〜3/13
 開館第2弾企画として、幕末の絵師・狩野一信(1816〜63)による増上寺所蔵の仏画「狩野一信の五百羅漢図展」を開催いたします。一信は様々な過去の作例を踏襲しながら、2幅に10人ずつ、計500人もの羅漢を描く空前絶後の100幅を構想。その信仰心と自らの画業の集大成として恐るべき技量を駆使し、一心に制作を続けましたが、完成まであとわずかというところで没してしまいました。残り4幅は妻・妙安、弟子・一純らが補作して完成させ、文久3年(1863)増上寺に奉納されました。
http://www.zojoji.or.jp/treasure/500rakanz.html

東京国立博物館始皇帝と大兵馬俑」10/27〜2/21
 今から約2200年前に「最初の皇帝」を名乗り、中国大陸に統一王朝を打ち立てた秦の始皇帝。その陵墓のほど近くに埋められた「兵馬俑」は、20世紀の考古学における最大の発見のひとつと謳われ、出土以来、新しい知見と驚きをもたらし続けています。本展では、バリエーション豊かな兵馬俑始皇帝にまつわる貴重な文物を一堂に紹介し、始皇帝が空前の規模で築き上げた「永遠の世界」の実像に迫ります。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1732

早稲田大学會津八一記念博物館「日吉館をめぐる文化人 ─會津八一と奈良─」10/17〜11/28
 日吉館は、奈良を愛する文学・絵画・彫刻・歴史・建築・美術史などの研究者が奈良を訪れるたびに定宿として利用していた風格のある旅館でした。早稲田大学會津八一記念博物館は、2010年と2014年に日吉館関係資料の寄贈を受けました。寄贈品は、會津八一の書作品や宿帳など、すべてが芸術的かつ文化史的価値の高いものです。
http://www.waseda.jp/culture/aizu-museum/

埼玉県立歴史と民俗の博物館「慈光寺-国宝 法華経一品経を守り伝える古刹-」10/10〜11/23
 この特別展では、天台宗の古刹である慈光寺をめぐる歴史と信仰を紹介します。慈光寺に伝来した国宝 法華経一品経は、平成20年度から修理が進められてきました。その終了を記念し、全巻を初めて公開します。修理の過程で新たに明らかになったことも合わせて紹介し、文化財保護への理解を深めていただく機会とします。
http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp/?page_id=421

神奈川県立神奈川近代文学館「生誕140年 柳田國男展」10/3〜11/23
 柳田民俗学の出発点ともなった原体験から、日本人の源流を考究した最晩年の著「海上の道」へと至る87年の生涯を概観するとともに、幅広い読書経験、深い学識に支えられた著作の魅力を探り、その現代性を見つめ直します。
http://www.kanabun.or.jp/exhibition/3183/

神奈川県立金沢文庫「仏教説話の世界」10/2〜11/15
 仏の教えや経典の内容などについて説法するための台本「説草」には、説話的な内容を持つものが散見されます。 これは、僧が法会で難しい教えをわかりやすく説明するため、世俗的な話なども引き合いに出していたからで、 こうした説草は中世文学がどのように生成し、享受されていたかを物語る資料としても注目されるのです。 本展では、称名寺に伝わった説草を中心に、初公開の説話文学資料を含めて、中世の仏教説話の世界を紹介します。
https://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

遊行寺宝物館「国宝 一遍聖絵」10/10〜12/14
 第一、七、十一、十二巻を展示
http://www.jishu.or.jp/na/exhibition-ippenhijirie

入間市博物館「板碑で読み解く武士と寺院-私の身近にある中世-」10/31〜12/13
 中世(鎌倉時代から戦国時代)に埼玉県内で盛んに造立された板碑をもとに、入間地域の武蔵武士や寺院の歴史を解き明かします。
http://www.alit.city.iruma.saitama.jp/

五島美術館「一休-とんち小僧の正体-」10/24〜12/6
 破戒の禅僧一休宗純(1394〜1481)。社会への鋭い風刺に満ちたその奔放な書画や詩が人々を魅了する一方、「とんち小僧」という虚像はどのように生まれてきたのか。肖像画・墨蹟・著作・所用の品を中心に、近世の絵入本・浮世絵等、変貌を遂げつつ現代にまで続く一休伝説にも光をあて、その全貌を捉えようとする展覧会。
http://www.gotoh-museum.or.jp/

センチュリーミュージアム「中世の墨跡と古筆」10/5〜12/19
 書に表現される風雅の境地
http://www.ccf.or.jp/jp/10about_museum/

鎌倉国宝館「鎌倉震災史-歴史地震と大正関東地震-」10/24〜12/6
 震災以降活発化している地震に関する研究成果をふまえながら、中世から近世に至る時期の鎌倉における歴史地震を概観するとともに、大正関東地震の被害状況やその後の文化財復興の歩みについて検証していきます
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/27-10jishin.html

島田市博物館「祈りの細道-島田の仏教美術-」10/31〜1/17
https://www.city.shimada.shizuoka.jp/hakubutsukan/hakubutu_top.html

諏訪市博物館「諏訪の工匠・立川一門-社寺建築と山車彫刻-」10/10〜1/11
 諏訪大社上社本宮をはじめ、県内外の各地に優れた建築彫刻作品を残した、全国的にも名高い工匠・立川一門について、立川家に残されてきた 資料の数々から紹介します。
さらに、立川彫刻の代表作の一つである愛知県半田市の山車を特別公開します。
http://www.city.suwa.lg.jp/scm/index.htm

長野市立博物館「救い出された地域の記憶-神城断層地震から一年-」10/24〜12/6
 神城断層地震から一年が経過しようとしている今、 レスキュー活動によって救出・記録された文化財から、被災地の生活と文化を見直し、 災害によって何が起こるかを考えます。
http://www.city.nagano.nagano.jp/museum/tokubetsu/index.html

平山郁夫シルクロード美術館「平山郁夫コレクション ガンダーラ-美しき仏たち展」10/30〜1/11
 当館所蔵の、世界に名だたる「平山ガンダーラ・コレクション」の中から仏像と仏伝浮彫を中心に、仏教美術に多大な影響を及ぼしたガンダーラの仏たちの姿を展観します。
http://www.silkroad-museum.jp/exhibitions/index.html#2015_02

ふじさんミュージアム(富士吉田市歴史民俗博物館)「富士講のヒミツ」10/17〜12/20
 ふじさんミュージアムのリニューアルを記念して、(自称)世界一を誇る豊富な富士山信仰のお宝(資料)をお見せしちゃいます!!
http://www.city.fujiyoshida.yamanashi.jp/forms/info/info.aspx?info_id=5753&preview=1

山梨県立博物館「富士山-信仰と芸術-」10/24〜11/30
 本展では、多様な富士山と文化の関わりのなかでも、特に富士信仰を中心として、信仰を起点として生み出された芸術品の数々についてもご覧いただきます。信仰という視点から見ることにより、今までよく知られた作品にも様々な意味が込められていることがおわかりいただけるでしょう。
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/3nd_tenjiannai_15tokubetsu003.html

飯田市美術博物館「信州の祈りと美-善光寺から白隠、春草まで-」10/10〜11/8
 折しも平成27年は善光寺御開帳の年。本展では、これにあわせてまずは全国に広く発信されたこの善光寺信仰が生み出した祈りの美に触れるところから紹介を始めます。続いて近世に眼を転じ、伊那谷の民衆を教化した臨済宗中興の祖・白隠慧鶴の禅画墨跡と、各地で確認される在地仏師勇躍の一例として仏師井出家が制作した仏像を取り上げます。さらに、それぞれの時代の特質がいっそう際立つよう明治以降の作家まで目配りし、近代化のうねりの中にあってそれぞれに仏教の世界観を表現しようとした画僧源道和尚(天龍道人)と画聖菱田春草を中心とする近代日本画壇の巨匠たちの作品を紹介します。
http://www.iida-museum.org/

岐阜市歴史博物館「文化財保護条例制定60周年 先人からのギフト」10/9〜11/15
 今日までの岐阜市における文化財保護を振り返り、市内に伝わる文化財の中から、その伝来の仕方や住民との関わり、歴史の変遷などの観点から展示します。
http://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/2015gift/gift.html

越前町織田文化歴史館「神と仏-祈り・祟り・祀りの精神史-」10/3〜12/6
 越前出土の考古資料を中心に展示し、仏教・道教などの外来主教がわが国の文化に与えた影響について、みていきます
http://www.town.echizen.fukui.jp/webworks/web/event/detail.jsp?id=2080

福井県立美術館「大永平寺展」10/2〜11/8
 曹洞宗大本山永平寺は、鎌倉時代の寛元2年(1244)、開祖道元禅師により越前志比庄(現在の永平寺町)に創建された禅の修行道場です。以来770年以上の長きにわたり、道元禅師の教えと数多くの文化財を今に守り伝えてきました。本展覧会は、永平寺に所蔵される文化財のなかから、道元禅師ゆかりの品をはじめとする、絵画・彫刻・書跡・文書など、国宝・重要文化財を含む秘蔵の品々を一挙公開し、永平寺の歴史と信仰、その美を紹介します。
http://info.pref.fukui.jp/bunka/bijutukan/bunka1.html

大津市歴史博物館「比叡山―みほとけの山―」10/10〜11/23
 世界文化遺産比叡山延暦寺をはじめ、広範囲にわたる比叡山の山麓に伝わる仏像や仏画、さらには比叡山の知識の宝庫である、叡山文庫の古文書や絵図などを展示することによって、その秘められた美しさと歴史を紹介します。
http://www.rekihaku.otsu.shiga.jp/news/1510.html

大津市歴史博物館「ミニ企画展 阿娑縛抄」10/14〜11/23
 企画展「比叡山」の第2会場として、延暦寺西教寺などに現存する写本のいくつかを紹介します。
http://www.rekihaku.otsu.shiga.jp/kikaku/minikikaku.html#MINIKIKAKU124

大谷大学博物館「生誕600年記念-蓮如-」10/10〜11/28
 蓮如の人となりを肖像や手紙で紹介する「本願寺蓮如」、寛正の法難以後の近江を中心とした教化活動を紹介する「寛正の法難と教化のあゆみ」、吉崎など北陸での布教の様子を紹介する「北陸教化と真宗繁昌」、洛東山科に本願寺を再建してから示寂に至るまでと、蓮如示寂後の遺弟たちによる蓮如への思慕のかたちを紹介する「山科時代とその後」の四つのテーマで構成し、八十五年間にわたる戦国乱世の念仏者・蓮如の生涯をたどります。
http://www.otani.ac.jp/kyo_kikan/museum/

京都国立博物館琳派誕生400年記念 琳派 京を彩る」10/10〜11/23
 本展は、光悦が徳川家康から鷹峯の地を拝領して400年となることを記念し、琳派誕生の地である京都において初めて開催される本格的な琳派展です。琳派の名作を一堂に集め、その都ぶりな美意識、日本的と評される特質をご堪能いただくとともに、琳派系譜をご紹介します。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/index.html

京都府立山城郷土資料館「南山城の神社と祈り」10/10〜11/29
 南山城地域には、石清水八幡宮をはじめとして、古い歴史を誇る多くの神社があります。今回の展示では、南山城の神社に関する文化と歴史をとりあげ、村落の生産を守護するために、人びとが神社への祈りにこめた思いを探ります
http://www.kyoto-be.ne.jp/yamasiro-m/office.html#autumn

京都府立総合資料館「平成27年度 東寺百合文書展 ―今に伝わる2万5千通―」10/1〜11/8
 中世の昔から今に至るまでの数百年の間には、火災・戦乱・盗難などの危難で文書がなくなりそうになったこと、実際になくなってしまったこともありました。また、不要になった文書は反古になることもありました。今に伝わる2万5千通の東寺百合文書は、過去無数にあった、生き残るか・なくなるかという分かれ目のすべてで生き残る方をたどることができた幸運な文書です。その幸運な文書を使って、文書がなくなってしまうときを紹介し、東寺百合文書が今に伝わったことを実感していただけるような展示にしています。
http://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/tenrankai.html

佛教大学宗教文化ミュージアム「海を渡った祈りと踊り-袋中上人とエイサー-」10/24〜11/23
 琉球布教や経典蒐集などに代表される袋中上人について、ゆかりの寺院に伝わる貴重な文化財を通して類い稀なる向学心や求道心について紹介します。そして、上人ゆかりの地において伝承されてきたエイサー(沖縄)やじゃんがら念仏踊り(福島)、六斎念仏(京都)などの民間で伝承されてきた念仏踊りを一同に紹介したいと思います
http://www.bukkyo-u.ac.jp/facilities/museum/event/

龍谷ミュージアム「アンコール・ワットへのみち-ほとけたちと神々のほほえみ-」10/10〜12/20
 アンコール朝時代のカンボジア石造彫刻を中心に、タイ、ミャンマーの彫刻もあわせ、東南アジア史上に燦然と輝くその神秘的な造形の変遷をたどります。同時に、日本でもおなじみの様々なほとけたちや神々の姿をわかりやすく紹介します。
http://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/sp.html

奈良国立博物館「第67回正倉院展」10/24〜11/9
 聖武天皇ゆかりの北倉からは、七条?色紬袈裟が出陳されます。また彫石横笛・彫石尺八は、石でできた珍しい管楽器。また本年は年中行事に関わる宝物が多数出陳されます。平成21年〜24年に宮内庁正倉院事務所で行われた特別調査の成果を示す宝物が出陳されるのも話題の一つです。
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2015toku/shosoin/2015shosoin_index.html

茨木市文化財資料館「龍王山をめぐる信仰と人々‐山岳寺院の軌跡‐」10/17〜12/14
 今回の展示では、竜王山と関連が深い、忍頂寺および大門寺などの山岳寺院をとりあげます。初公開となる織田信長朱印状(「天下布武」印)や関連する仏像などを展示することで、竜王山をめぐる信仰と人々にスポットをあてます。
http://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/kyoikuiinkaikyoikusoumu/syakaikyoiku/menu/shiryokan/index.html

大阪大学総合学術博物館「金銅仏きらきらし-いにしえの技にせまる-」10/24〜12/22
 金銅仏の制作技法の謎―いにしえの技―にせまるべく、興福寺仏頭の制作工程模型、そしてアジア各地の金銅仏約40点を成分分析調査等の成果とともに展観いたします。
http://www.museum.osaka-u.ac.jp/2015-09-25-9655/

高野山霊宝館「宥快・長覚没後600年記念 宝寿院の名宝」10/3〜1/11
 宝寿院には、宥快・長覚両先徳の遺品も含めて、宝性院、無量寿院に所蔵されていた名品の数々が、今もなお伝わっています。そこで、両先徳没後600年を記念して、「宝寿院の名宝」と題し、宝寿院に伝わる文化財を紹介します。
http://www.reihokan.or.jp/

和泉市久保惣記念美術館「笑いのかたち-絵が笑う絵で笑う-」10/10〜11/29
 笑う人物像と笑いを生み出すことを目的に作られた戯画を中心に構成します。笑う人物像では、笑い興じている人々を描いた遊楽図や、作例は少ないものの肖像画において笑みを見せるもの、純真さや無垢な姿としての道釈人物画などがを展示します。笑いにはさまざまな理由や意味合いがあることを展示品によりご覧いただきます。また、戯画からは絵画制作者たちの豊かな発想や奇抜な表現を楽しんでいただきます。
http://www.ikm-art.jp/tenrankai/index.html#anc04

高槻市立しろあと歴史館「大阪の修験と西方浄土 〜神峯・葛城山と日想観の山寺〜」10/3〜12/6
 大阪の山と信仰を取り上げ、仏教美術・文献・考古資料などから、その歴史を紹介し、山々に広がる宗教文化を探ります。
http://www.city.takatsuki.osaka.jp/rekishi_kanko/rekishi/rekishikan/shiroato/s_kikaku_tokubetu/1435294274940.html

生駒ふるさとミュージアム「お墓の話-古代の人のあの世へのお見送り方-」10/24〜11/29
http://ikoma-museum.jp/index.html

天理大学附属天理参考館「中国の霊獣百態」10/1〜11/30
 中国のモノに表現された特異な動物には、霊獣のほかに庶民の願いを叶えてくれる吉祥獣もいますが、悪神である魔獣もいます。今回の企画展ではこれらも含めて「霊獣」として一堂に展覧します。時代と共に変化する霊獣の表現をご覧頂き、モノに込められた人々の思いを感じ取って頂ければ幸いです。
http://www.sankokan.jp/news_and_information/ex_sp/sp075.html

東大寺ミュージアム「正倉院」10/21〜11/24
 奈良国立博物館で開催される「第67 回正倉院展」に合わせて「特集展示 正倉院」と題して、東大寺が所蔵する正倉院関係の絵図をはじめとする資史料を展示
http://culturecenter.todaiji.or.jp/news/20151022_95.html

平城宮跡資料館「地下の正倉院展造酒司木簡の世界-」10/17〜11/29
http://www.nabunken.go.jp/heijo/museum/index.html

大阪青山歴史文学博物館「書の名品選」10/10〜12/6
 古写経・歌集をはじめとする古筆や名家の書状など、選りすぐりの逸品をご堪能下さい。近年所蔵品となった貫之集断簡(石山切)を初公開いたします。
http://www.osaka-aoyama.ac.jp/facility/museum/exhibition/

黒川古文化研究所「中国鏡でめぐる神仙世界」10/17〜11/29
 中国の鏡を体系的に紹介するとともに、その背面に表される文様に注目いたします。また、蛍光X線分析による金属組成調査の成果を紹介するなど、これまでとは違った視点で中国鏡をご覧いただき、当時のものづくりのありさまや人びとの精神に思いをめぐらせていただく展示といたします。
http://www.kurokawa-institute.or.jp/newpage2.html

島根県立古代出雲歴史博物館「古代出雲の祭祀世界 神 人 祈り」10/9〜11/29
 神を畏れ、丁重に祭った古代の人々。神宝類や絵図、発掘された神への捧げ物など、古代の祈りを物語る豊富な資料を展示し、祭祀の実態を読み解きます。
そして、多くの神々が坐す出雲の特質にせまります。
http://www.izm.ed.jp/cms/cms.php?mode=v&id=244

愛媛県歴史文化博物館「四国遍路と巡礼」10/10〜12/6
 本展では、絵図などに描かれた日本の代表的な巡礼を紹介するとともに、巡礼道具等から見た西国巡礼から四国遍路への影響について探ります。また、お遍路の所持品や札所や遍路宿などの地域に遺る遍路文化資料を通じて四国遍路の実態について紹介します
https://www.i-rekihaku.jp/exhibition/index.html

平山郁夫美術館「三蔵法師薬師寺の宝物」10/3〜12/6
 薬師寺ゆかりの宝物とあわせて平山郁夫が描いた玄奘三蔵の世界にスポットを当てて紹介します。
http://hirayama-museum.or.jp/event/369

広島県立歴史民俗資料館「尾道浄土寺の寺宝展-瀬戸内の精華-」10/9〜11/23
 浄土寺に伝わる貴重な寺宝の数々を紹介し、豊かな瀬戸内を背景に華ひらいた仏教文化の粋を御覧いただきます。
http://www.manabi.pref.hiroshima.lg.jp/rekimin/info_tenjikai27aki.html

中村元記念館「ジャイナ教の世界 -写真で見るインド伝統宗教の祝祭儀礼-」10/25〜12/25
 中村元記念館・東方学院松江校の矢島道彦講師が現地で撮影された、貴重な写真と絵画を特別公開いたします! ジャイナ教の祝祭に集う人々の生き生きとした様子を、先生の詳しい説明を聞きながらご覧ください。
http://www.nakamura-hajime-memorialhall.or.jp/
http://nakamurahajime.blogspot.jp/2015/10/3.html

毛利博物館「国宝」10/31〜12/6
 雪舟筆「四季山水図」をはじめとする国宝や重要文化財など、美術・歴史的に高く評価されている毛利家伝来の優品を一堂に展示します。
http://www.c-able.ne.jp/~mouri-m/nenkan/index.html

出雲文化伝承館「出雲の風外さん」10/16〜11/29
 曹洞宗の高僧で、画僧としても著名な風外本高(1779〜1847)は6度も出雲地方へ遊歴し、仏道を広め、また多くの禅画を描きました。風外和尚来雲200年を記念して出雲文化伝承館と平田本陣記念館を会場に同時開催特別展として県内外から初公開を含む約100点を展示し、その業績を顕彰します。
http://izumo-zaidan.jp/tag/izudensyo_event/528

甘木歴史資料館「黒川院調査と山岳宗教」10/6〜11/29
 群雄割拠の戦国時代-強大な武力をもった宗教集団へと発展した彦山。その頂点に立ち、彦山衆徒を率いた座主が住んだという「黒川院」―これまで伝承の中にのみ知られていたその存在が、近年の発掘調査によって確たるものに! 英彦山・求菩提山・首羅山といった、近隣の山岳宗教関連資料とともに、黒川院関連遺跡群における調査成果を初公開します。
http://www.city.asakura.lg.jp/ama-reki/

九州国立博物館「美の国 日本」10/18〜11/29
 縄文時代から鎌倉時代にいたるまでの日本美術の優品をご覧いただき、「日本の美」成熟への道程を象徴的に展望します。日本屈指の優品が集まる圧倒的な展覧会。国宝30余件、重要文化財30余件を数え、九博10年の特別展史上前例のない、豪華な展観となります。
http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s41.html

九州歴史資料館「四王寺山の1350年-大野城から祈りの山へ-」10/24〜12/6
 本展では、665年の大野城の築造にはじまり、四天王寺の建立や経塚文化の盛行、原山や崇福寺の興隆、南北朝の動乱や 岩屋城の戦い、祭祀・伝承にいたるまで四王寺山1350年の歴史を振り返ります。国宝・重要文化財約20件をはじめ、ゆかりの遺宝を通して「大野城」のすべて、そして、「四王寺山」の多様な姿をご紹介します。
http://www.fsg.pref.fukuoka.jp/kyureki/exhibition/index.html#p13

福岡市博物館「新・奴国展 〜ふくおか創世記〜」10/17〜12/13
今から約2000 年前、福岡市を中心とする一帯には『後漢書』や『魏志倭人伝』など中国の歴史書にも登場する「奴国」と呼ばれる王国がありました。福岡市博物館が所蔵する志賀島出土の金印は中国の漢帝国が奴国の王を認めた証しであり、奴国は弥生時代の日本列島を代表する大国であったと考えられます。
 福岡市博物館開館25 周年の節目に、日本文化の原点にもなった奴国の文化について見直し、東アジアの豊富な考古資料がモノ語る「奴国」の風景とその激動の時代にせまります。
http://museum.city.fukuoka.jp/exhibition/tokubetsu.html#shin_nakoku

福岡市美術館藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」10/6〜11/23
 日本屈指の東洋、日本美術のコレクションを誇る、藤田美術館大阪市)の所蔵品から国宝6件と重文25件を含む124件を、九州初公開します。藤田傳三郎は山口県出身の実業家で、美術品を精力的に収集し、海外流出をふせぎました。神秘の青い光をたたえた 国宝 曜変天目茶碗 のほか、国宝 玄奘三蔵絵 など名品の数々をお楽しみください。
http://www.fukuoka-art-museum.jp/jc/html/jc03/fs_jc03_tokubetsu_x15_1006.html

熊本県立美術館「ほとけの里と相良の名宝-人吉球磨の歴史と美-」10/14〜11/29
 熊本県球磨地域は、中世の仏教美術が栄えた「ほとけの里」です。鎌倉時代から明治維新まで、相良氏が700年にわたり領主であり続けた珍しい地域でもあります。本展は、そうした球磨の歴史と文化を紹介する初めての展覧会です。会場には、在来の領主が育んだ平安仏から相良氏ゆかりの都風の仏像、相良三十三観音まで、多彩な仏教美術作品を一堂に展示。ゆかりの歴史資料により、相良氏の球磨入部から肥後南部への勢力拡大、関ヶ原合戦に至るまで、動乱の歴史をたどります。
http://www.museum.pref.kumamoto.jp/event_cal/pub/detail.aspx?c_id=10&id=63&trk_kbn=A

大分県立美術館「神々の黄昏-東西のヴィーナス出会う世紀末、心の風景、西東-」10/31〜1/24
 クリムトの女神が、宇佐の天福寺に残る奈良〜平安時代の木彫仏像、大分のヴィーナスと、時空を超えた空前絶後の出会いを果たす。大分県北東部、宇佐・国東は、神秘の宝庫。古代宇佐神宮にはじまる八幡信仰、神仏習合の六郷満山の仏教文化を育んだ。大分の文化が、古来の祈りと「見えないものへの憧れ」を新しいヴィーナスに変え、現代の私たちへと甦らせる。
http://www.opam.jp/

大分県立歴史博物館「キリスト教王国を夢見た大友宗麟」10/16〜11/23
 キリシタン大名大友宗麟の保護の下、おおいたではキリシタン文化が花開きました。本展ではおおいたのキリシタン資料を一堂に会し、さらに国内に残る様々なキリシタン資料や近年の発掘調査と自然化学分析によって分かった新事実の紹介等をとおして、おおいたのキリシタン文化を明らかにします。
http://kyouiku.oita-ed.jp/rekisihakubutukan-b/ex/index.html

2015年10月の講演

東京近辺で10月に開かれる講演・講座をメモします。開催日順。詳細は各主催者または会場にお尋ねください。(10/3更新)




  • 摩天楼法話会
     日時:10/5 14:00
     会場:常円寺
     講師:神蔵寿観
     演題:「一念三千」私達は全てのものに共感する力を持つ
     主催:日蓮宗東京西部社教会事務所(詳細




  • 法話の会
     日時:10/8 19:00
     会場:東京グランドホテル4階芙蓉の間
     講師:江川辰三「おことば」
     主催:曹洞宗宗務庁(詳細



  • 在家仏教講演会
     日時:10/10 10:00
     会場:大手町ビル
     講師:重松宗育
     演題:禅僧が読む外国文学
     主催:在家仏教協会




  • 東大寺東京講座
     日時:10/10 14:00
     会場:青松寺観音聖堂
     講師:北河原公敬
     演題:観音経を読む(16)
     主催:東大寺


  • 第574回日曜講演会
     日時:10/11 10:00
     会場:武蔵野大学グリーンホール
     講師:中村孝文
     演題:憲法の背景にある考え方 個人と命の大切さ
     主催:武蔵野大学


  • キリスト教と禅の出会い第5回
     日時:10/11 14:00
     会場:聖イグナチオ教会信徒会館1階ヨセフホール
     講師:クラウス・リーゼンフーバー、安永祖堂
     演題:生命の根源に触れる
     主催:東京禅センター(詳細



  • 第34回禅博セミナー
     日時:10/14 17:00
     会場:駒澤大学中央講堂
     講師:坂田進一
     演題:東皐心越禅師の琴系と『東皐琴譜』の成立
     主催:駒澤大学禅文化歴史博物館(詳細


  • 南無の会辻説法
     日時:10/14 19:00
     会場:常円寺
     講師:篠原鋭一
     演題:彷徨う若者達の苦悩
     主催:南無の会


  • 興福寺文化講座
     日時:10/15 17:30
     会場:文化学園A館ホール
     講師:畠中光享「中金堂法相柱に祖師たちを描く」
        多川俊映「奈良・祈り・心」
     主催:興福寺


  • 仏教カルチャー・セミナー
     日時:10/17 13:30
     会場:中野サンプラザ研修室
     講師:加藤智見
     演題:世界宗教から見た親鸞
     主催:日本仏教鑽仰会(03-3967-3288)


  • 青松護持会講座「仏教歳時記」
     日時:10/17 13:30
     会場:青松寺観音聖堂
     講師:金子真介
     演題:第4回 達磨
     主催:青松寺



  • 宗援連第24回情報交換会
     日時:10/17 15:00
     会場:東京大学仏教青年会ホール
     講師:中村瑞貴「東日本大震災対応から防災に向けて」
        鹿野融完「関東・東北水害における支援活動について」
     主催:宗教者災害支援連絡会



  • 仏教聖典を生活に活かす会
     日時:10/22 13:30
     会場:仏教伝道センタービル7F
     講師:一島正真
     主催:仏教伝道協会


  • 在家仏教講演会
     日時:10/24 10:00
     会場:大手町ビル
     講師:本多弘之
     演題:悟りと浄土 「大乗の涅槃」と「大悲の本願」
     主催:在家仏教協会



  • 第27回中原寺文化講演会
     日時:10/24 13:30
     会場:山崎製パン企業年金基金会館
     講師:向野幾世
     演題:お母さんぼくが生まれてごめんなさい
     主催:中原寺


  • 川崎大師仏教文化講座
     日時:10/24・25 14:00
     会場:川崎大師教学研究所講堂
     講師:種村隆元
     演題:インド密教の瞑想
     主催:川崎大師教学研究所



2015年9月の展覧会

2015年9月に始まる展覧会から、日本およびアジアの文化・芸術・宗教に関連した内容のものをピックアップします。引用文は主催者サイトからの抜粋です。(情報収集にあたりましては、観仏三昧さんのデータを参考にさせていただきました)


北海道博物館「夷酋列像 蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界」9/5〜11/8
 極彩色の衣装に身を包み立ち並ぶ、12人のアイヌの首長たち。松前藩家老をつとめた画人、蠣崎波響が寛政2年(1790)に描いた「夷酋列像」は、時の天皇や、諸藩の大名たちの称賛を受け、多くの模写を生みました。蠣崎波響筆のブザンソン美術考古博物館所蔵本と国内各地の諸本が、はじめて一堂に会します。
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/

秋田県立博物館「徳川将軍家と東北-泰平の世の歴史と名宝-」9/12〜10/25
 将軍の所用品や篤姫が用いた調度品など、重厚.華麗な江戸文化の精髄を紹介します。
http://www.akihaku.jp/index.htm

郡山市立美術館「サントリー美術館所蔵品展」9/5〜10/18
 「洛中洛外図屏風」や「南蛮屏風」(後期出品)などの都や異国へのあこがれを描いた近世絵画や、中国の乾隆ガラス、伊万里や鍋島の色絵磁器など約60点が出品されます。「洛中洛外図屏風」と「鼠草子絵巻」は高精細映像によるデジタル展示も同時に行います。
https://www.city.koriyama.fukushima.jp/bijyutukan/022-now.html

小杉放菴記念日光美術館「社寺を描いた絵画展」9/19〜11/3
 「日光東照宮400年式年大祭」を記念し、小杉放菴記念日光美術館が所蔵する「社寺を 描いた水彩画コレクション」をはじめ、世界遺産日光の社寺」の風景を描いた絵画を一堂に展示します。
http://www.khmoan.jp/report/2015/ex-131.html

千葉市美術館「唐画もん―武禅にろう苑、若冲も」9/8〜10/18
 本展は、知られざる大坂の絵師、武禅と?苑に光を当てた初めての展覧会です。今でこそ、知る人ぞ知る存在となってしまいましたが、彼らは流行の中国絵画を学んだ「唐画師」として独自の表現を追求し、おおいに人気がありました。二人の画業をたどるとともに、師である雪鼎や五岳、さらに同時代の大坂や京都で活躍した伊藤若冲曾我蕭白、松本奉時や耳鳥斎らの作品もあわせ、約150点の作品をご紹介します。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2015/0908/0908.html

五島美術館「秋の優品展-宗教と美術-」9/5〜10/18
 館蔵品の中から、装飾経を中心とした「古写経」、禅宗僧侶の「墨跡」「水墨画」など、名品約50点を選び展示(会期中一部展示替あり)。宗教と密接な書や絵画の世界を展観します。館蔵の日本陶磁も同時公開。国宝「紫式部日記絵巻」を10月10日[土]から10月18日[日]まで特別展示予定。
http://www.gotoh-museum.or.jp/index.html

根津美術館「根津青山の至宝 初代根津嘉一郎コレクションの軌跡」9/19〜11/3
 初代根津嘉一郎(号青山・1860〜1940)は、明治から大正期にかけて、いにしえより大切にされてきた古美術品がかえりみられることなく、欧米に売られている状況を見てこれを憂い、一層蒐集に励みました。そしてその遺志をついで美術品を戦火からまもりぬいた二代。財団創立75周年を記念する特別展として、書画と茶道具の名品を中心に初代のコレクションの軌跡を辿ります。
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/next.html

板橋区立郷土資料館「武蔵千葉氏」9/19〜11/1
 康正2年(1456)本国下総国内での内紛に敗れた千葉氏宗家は、武蔵国に落ちのび、鹿王院領赤塚郷に入部しました。以後赤塚郷を拠点に武蔵国内に所領を拡大していったのが、いわゆる武蔵千葉氏です。本展示は赤塚郷内を中心とする活動はもちろん、武蔵千葉氏のルーツを同氏の妙見信仰を通じて紹介します。また、近世中期以降の地誌・評論などにみられる武蔵千葉氏の姿を紹介します。
http://www.k5.dion.ne.jp/~kyoudo/tokukikaku.html

鎌倉国宝館「国宝 鶴岡八幡宮古神宝」9/11〜10/18
 本展覧会は、800年の伝統を今に伝えるこの例大祭の時期に合わせて、同宮が守り伝えてきた神宝を一堂に展示します。また、今年の展示ではこうした作品のほか、頼朝が東大寺に参列した折に手向山八幡宮から譲り受けられたと伝える菩薩面・舞楽面をはじめ、鶴岡八幡宮とゆかりの深い東大寺に関連する資料を特集展示します。
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/

静岡県立美術館「富士山-信仰と芸術-」9/5〜10/12
 本展は、富士山に縁の深い静岡・山梨両県が手を携えて開催するもので、多岐にわたる富士山と文化の関わりのなかでも、特に富士山信仰を核として、その歴史的変遷はもとより、信仰を起点として生み出された芸術作品の数々についてもご紹介します。信仰という視点から捉え直すことにより、作品に託された重層的な意味を明らかにしていきたいと思います。
http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2015/03.php

新潟県万代島美術館「三宝院開創900年記念 世界遺産 京都・醍醐寺展」9/19〜11/8
 京都の東南・山科盆地に位置する名刹醍醐寺は、平安の昔から桜の名所として知られ、豊臣秀吉が慶長3(1598)年に催した「醍醐の花見」でも有名です。天皇や公家、武家との深い関わりから貴重な文化財が多数伝わり、平成6(1994)年には世界文化遺産にも登録されました。本展覧会は日本海側初の大規模展で、灌頂院(三宝院)の開創900年を記念して開催されるものです。国宝《文殊渡海図》、重要文化財の快慶作《不動明王坐像》をはじめ、脈々と継承されてきた貴重な寺宝を紹介します。
http://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/open/

長野市立博物館「新たな国民のたから-文化庁購入文化財展-」9/19〜10/17
 このたび当館では、国が購入、所蔵している文化財をご覧いただく展覧会を開催します。仏教絵画の名品や大名道具が一堂に会します。 価値ある文化財を見ることができる貴重な機会です。多くの皆様にご来館いただければ幸いです。
http://www.city.nagano.nagano.jp/museum/tokubetsu/1509-1510.html

名古屋市蓬左文庫「豊かなる朝鮮王朝の文化」9/19〜11/8
 朝鮮王朝との関係修復に努めた徳川家康は、朝鮮で刊行された金属活字本をはじめ、隣国の優れた文化にも関心を寄せていました。尾張徳川家に伝わった家康旧蔵の朝鮮本や、高麗・朝鮮美術の名品、朝鮮通信使に関する記録などを通して、朝鮮王朝の豊かな文化と両国の交流を振り返ります。
http://housa.city.nagoya.jp/exhibition/next01.html

富山県[立山博物館]「立山と白山-北陸霊山の開山伝承-」9/19〜11/15
 立山と白山は、日本三霊山として古くから全国の人々の信仰を集めました。その信仰の姿を、開山者とされる慈興上人と泰澄大師の開山伝承を中心に紹介します。
http://www.pref.toyama.jp/branches/3043/kikakuten.html

石川県七尾美術館「本邦初公開! よみがえった等伯水墨画を中心に」9/19〜10/25
 当館は毎年「長谷川等伯シリーズ展」を開催していますが、本展は特別企画として開催するもので、修復によってよみがえった等伯水墨画屏風2点を、一般に本邦初公開いたします。
http://nanao-art-museum.jp/?p=5339

大谷大学博物館「大谷大学博物館の逸品-重要文化財「化度寺故僧邑禅師舎利塔銘」「信行禅師興教碑」拓本-」9/8〜9/26
http://www.otani.ac.jp/kyo_kikan/museum/

京都文化博物館「再興十周年 洛陽三十三所-観音霊場の再興-」9/18〜11/23
 平安時代以降、西国三十三所等の観音菩薩巡礼が盛んとなり、京都(洛陽)においても三十三の観音を対象とする巡礼が行なわれるようになりました。応仁の乱明治維新による衰退もありましたが、平成17年(2005)に平成洛陽三十三所観音霊場会が結成され、再興されることとなりました。再興から十年を迎える2015年、「霊場の再興」に注目して、洛陽三十三所の多角的な魅力を伝える展覧会を開催します。
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_shibun_post/rakuyou33/

京都市歴史資料館「古地図のいろいろ-手書き地図の世界-」9/12〜12/9
 京都の古地図の中でも手書きの地図を展示します。手書きの地図は,印刷された地図である「刊本図」に対し「写本図」と呼ばれます。刊本図は不特定多数を相手にしていますので,誰にでも受け入れられるように作られます。また,大きさやコストにも制限があります。それに対し写本図は,刊本図とは違い,作成上の制約が無いため,刊本図に比べて大きな多様性を持っています。そのようなバラエティに富んだ写本図をご覧いただきます。
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000187252.html

東寺宝物館「東寺名宝展-国宝風信帖と弘法大師ゆかりの書-」9/20〜11/25
http://www.toji.or.jp/2015_autumn.shtml

花園大学歴史博物館「武蔵野の禅刹 平林寺 伝来の書画名宝展」9/24〜12/12
本展覧会では、歴世住持および中興開基・大河内松平家の関係資料のほか、平林寺にゆかりある黄檗僧・独立性易(1596〜1672)の品々や、松永安左エ門(耳庵、1875〜1971)の遺愛品をご紹介します。また、平林寺の永い歴史のなかで蓄積された多彩な美術作品のうち、元時代に遡る中国絵画をはじめ中世絵画や近世の禅画などの優品の数々をとおして、武蔵野に華開いた禅文化の魅力に迫ります。
http://www.hanazono.ac.jp/event/20150910-5227.html

栗東歴史民俗博物館湖国のへっついさん」9/19〜11/3
 発掘調査にともなって発見されるかまど関連資料から、近年まで目にしたタイルかまどまで、かまどの歴史を紹介するとともに、かまどに関連した信仰も紹介します。
http://www.city.ritto.shiga.jp/hakubutsukan/

有田市郷土資料館「ありだのみ仏たち-有田市指定文化財から-」9/19〜11/1
https://www.city.arida.lg.jp/kyouiku/kyoudosiryoukantokubetuten.html

和歌山県立博物館「弘法大師と高野参詣」9/19〜11/1
 平安時代の初め、弘仁7年(816)に弘法大師空海高野山金剛峯寺を開きました。それ以来、弘法大師高野山に想いを寄せ、多くの人々が高野山へお参りにやって来ました。この特別展では、高野山開創1200年にあたり、高野山へ寄せた想いや参詣を通じて、あらためて高野山の歴史とその魅力について紹介したいと思います。
http://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/kouboudaisi/frameset.htm

大阪市立美術館「コレクション展 仏教彫刻」9/12〜11/1
 中国南北朝時代北魏西魏(5〜6世紀)、および平安、鎌倉、室町時代(9〜16世紀)の仏像・神像を展示します。制作された地域や時代により移り変わる、様々な「かみほとけのすがた」をご覧ください。
http://www.osaka-art-museum.jp/def_evt/b-cyokoku/

東大阪市立郷土博物館「東大阪の寺跡と信仰」9/17〜12/6
http://www.bunkazaishisetsu.or.jp/k_hakubutsukan/sub65.h27.tokuten.html

湯木美術館「禅僧と茶道具 大徳寺を中心に」9/1〜12/20
 「禅」と「茶の湯」は密接な関係にありながら、その実際は必ずしも明らかではありません。今回はこの関係を「禅僧」と「茶人」という担い手の視点から、さらに両者が実際に創り出し、使用した茶道具から探ります。禅僧が所持した茶道具や創り出した茶道具、その周辺の作品を通して、禅僧がどのように茶の湯に関係したかを明らかにします。前後期で約60点を展示いたします。
http://www.yuki-museum.or.jp/exhibition/

奈良県立万葉文化館「見る・知る-万葉と春日- 飛鳥と春日大社の宝物」9/19〜12/13
 春日宮曼荼羅など信仰の対象となる絵画、祭神に奉納された宝物、祭礼に用いられる装束や楽器や仮面など、春日大社の宝物は、美術的に高い価値を持つと同時に、奈良時代から現代に至るまで春日大社が歴史の中で果たしてきた役割を反映するものでもあります。
本展では、中臣祐定による「春日本万葉集」(複製)、「春日懐紙」(重要文化財)、「古葉略類聚鈔」(重要文化財)などもあわせて展示し、そうした春日大社の宝物や関連する作品を通して、古代から現代に至るまでの大和の文化と伝統を紹介します。
http://www.manyo.jp/event/detail.html?id=130

岡山市立オリエント美術館「香りのシルクロード古代エジプトから現代まで-」9/19〜11/8
 信仰に根ざした香炉から、華麗な香水瓶だけでなく、乳香や没薬、麝香などの香料や香辛料、現代の香水に至るまで、体感する「香りの文化」を紹介します。私たちはどうして香りを感じることができるのか、香りが心に与える影響について、など、私たちと香りの付き合い方などにも思いをはせていただければ幸いです。
http://www.orientmuseum.jp/exhibitions/2015kaori/top.html

広島県立歴史博物館(ふくやま草戸千軒ミュージアム)「国の重要文化財 紙本白描遊行上人絵」9/18〜9/27
http://www.manabi.pref.hiroshima.jp/rekishih/

島根県立石見美術館「祈りの仏像-石見の地より-」9/19〜11/16
 石見地域を中心に隣接する出雲、安芸、周防、長門の各地の仏像を通して、古代から時代ごとに特徴ある、この地域に生きた人々の祈りのかたちをご覧いただきます。
http://www.grandtoit.jp/museum/exhibition/2015/09/post-109.html

国東市歴史体験学習館「六郷満山霊場の寺宝展」9/19〜1/17
 今回の企画展では、国東市内や隣接の市町村の指定文化財を中心に六郷山に関係する寺院や、六郷満山霊場の各寺院が持つ寺宝を多数公開する予定です。「木造如来坐像」など一般未公開の文化財や、「全光寺木造観音菩薩立像」「万徳寺木造如来立像」など通常は、なかなか見ることのできない文化財も多数展示する予定です。今回の企画展は六郷満山開創1300年祭のプレイベントとして当館の開館以来、最大のイベントとなります。
http://www.city.kunisaki.oita.jp/soshiki/bunkazai/rokugou-zihouten.html

沖縄県立博物館・美術館「琉球弧の葬墓制-風とサンゴの弔い-」9/25〜11/23
 琉球弧の葬墓制について先史時代から現代まで地域や時代ごとに整理して紹介することを目的にしています。人々が協力して行ってきた葬送儀礼や洗骨等に関する資料の展示をはじめ、各地に現存する多様な墓やふだんめったに見ることができない墓室や厨子の内部等を紹介します。
http://www.museums.pref.okinawa.jp/museum/topics/detail.jsp?id=1450

2015年9月の講演

東京近辺で9月に開かれる講演・講座をメモします。開催日順。詳細は各主催者または会場にお尋ねください。(9/2更新)


  • 東大寺東京講座
     日時:9/5 14:00
     会場:青松寺観音聖堂
     講師:平岡昇修
     演題:サンスクリット原典と共に読む般若心経(2)
     主催:東大寺


  • 光明寺仏教講座
     日時:9/5 15:00
     会場:光明寺本堂
     講師:岡村喜史
     演題:越後から関東へ
     主催:光明寺


  • 摩天楼法話会
     日時:9/7 14:00
     会場:常円寺
     講師:篠原鋭一
     演題:人生をどう生きるか
     主催:日蓮宗東京西部社教会事務所(詳細


  • 南無の会辻説法
     日時:9/9 19:00
     会場:常円寺
     講師:本多静芳
     演題:(演題未発表)
     主催:南無の会


  • いのちを見つめる集い
     日時:9/10 13:30
     会場:江東区・正覚院
     講師:野崎泰雄
     演題:成仏のメカニズム 私でも仏になれる?
     主催:仏教情報センター


  • 第21回愛宕薬師フォーラム
     日時:9/10 14:00
     会場:別院真福寺地下講堂
     講師:渡辺章悟
     演題:死後に“ソナエ”る十三仏信仰
     主催:智山教化センター


  • 在家仏教講演会
     日時:9/12 10:00
     会場:大手町ビル
     講師:伊藤益
     演題:萬葉集と仏教
     主催:在家仏教協会


  • 仏教カルチャー・セミナー
     日時:9/12 13:30
     会場:中野サンプラザ研修室
     講師:加藤智見
     演題:世界宗教から見た親鸞
     主催:日本仏教鑽仰会(03-3967-3288)





  • 青松護持会講座「仏教歳時記」
     日時:9/19 13:30
     会場:青松寺観音聖堂
     講師:金子真介
     演題:第3回 秋のお彼岸
     主催:青松寺



  • 仏教聖典を生活に活かす会
     日時:9/24 13:30
     会場:仏教伝道センタービル7F
     講師:ケネス田中
     主催:仏教伝道協会



  • 在家仏教講演会
     日時:9/26 10:00
     会場:大手町ビル
     講師:奈良康明
     演題:悟りと浄土 「仏への道」と「仏の道」
     主催:在家仏教協会


  • 東大寺東京講座
     日時:9/26 14:00
     会場:青松寺観音聖堂
     講師:筒井寛昭
     演題:法話(3)
     主催:東大寺


  • 龍雲寺ダンマトーク
     日時:9/26 14:30
     会場:龍雲寺
     講師:松山大耕
     主催:龍雲寺・東京禅センター



京博「仏法東漸」

京都国立博物館で特別展観「第100回大蔵会記念 仏法東漸―仏教の典籍と美術─」を見ました。平常展の延長ぐらいに思っていたらとんでもない。見終えるまでに2時間半もかかりました。
一切経大蔵経と聞いて思いつく経典がすべてここに集められています。いやむしろ思いつかなかった経典の展示を目の当たりにしたことのほうが大事かもしれません。現存最古の可能性がある梵字の貝葉写本に始まり、中国と朝鮮の経典の堂々たる文字に圧倒されます。日本の経典は奈良時代聖武天皇光明皇后称徳天皇が発願した一切経平安時代法隆寺・松尾社・神護寺・七寺などの一切経。鎌倉・室町時代となって、色定法師が生涯をかけて書写した一切経足利尊氏発願の一切経、北野社一切経。このあたりから版本も現れ、宗存版・天海版・黄檗版などを紹介する流れの先に大正新脩大蔵経があります。
部屋を替えて日本の宗祖の紹介。最澄空海、禅と浄土教の祖師方を、その直筆と関連絵画を合わせて展示。越州録と弘法大師請来目録の二つの最澄直筆が見られたのはうれしい。禅では関山慧玄のように物は残さなかったが法は伝えたという人の紹介もあり、仏法東漸にも様々あることを教えられます。浄土教では早来迎という東漸の分かりやすい例と、選択本願念仏集のように大きく飛躍した伝授も。
さらに関連展示として、絵巻・仏画・頂相など。このあたりまで来ると集中が途切れ気味で流し見るしかないのですが、一貫したテーマのもとで展示される強みを感じます。
この場に身を置けた喜びに満たされる展覧会でした。