仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

 歌舞伎座夜の部

歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎・夜の部を見てきました。
さすが11月、出演者が豪華。役の数より役者のほうが多いんじゃないの? かの片岡仁左衛門さんが「番卒」ですもんね。
さて、演し物の中から仏教的なことをメモしておくと、

  • 仮名手本忠臣蔵九段目(山科閑居)』には加古川本蔵(幸四郎)が虚無僧に身をやつして登場。その衣装を今度は大星由良之助(吉右衛門)が借りて出立。つまり(虚無)僧の姿は正体を隠す手段でしかないというわけ。
  • 『土蜘』では、源頼光の病気平癒を祈るため、比叡山の智籌(難しい字ですね。チジュって聞きましたが辞書を引くと呉音でチジュウ、漢音でチチュウ)と名乗る僧侶(菊五郎)が現れる。これが実は土蜘の精。高僧を騙って権力者に近づく、っていつの時代にもありそうな話。
  • 三人吉三(大川端庚申塚の場)』は厄落としの名台詞で知られる場面。物語の発端の幕だけやって今夜はこれ切りってのも歌舞伎らしくてよろしい。和尚吉三(松緑)はいうまでもなく盗賊兄弟の兄貴分です。

ということで、11月歌舞伎座夜の部はニセ坊主のオンパレードでした。