仏報ウォッチリスト

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 演目の選定って…

たいへんなニュースが続いて、心休まる暇がありません。ひとつ挙げるとすれば、そうですねえ、所得申告漏れでお詫びする中村勘三郎さん。たいへんだなあ、なにしろ明日からコクーン歌舞伎三人吉三(さんにんきちさ)』が開幕、「濡れ手で粟」で「手にいる百両」をめぐるお話ですからね。できすぎですよ。こりゃたいへん。
伝統芸能というのもけっして現代の世相と無縁ではなく、例えば4月の歌舞伎座、そして今月の国立劇場と立て続けに上演されている『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』は関取が主人公。ことに4月の『角力場(すもうば)』の幕なんて八百長の裏取引を描く場面です。松竹製作のチラシに〈今も変わらぬ相撲の風俗がいきいきと描かれた楽しい一幕〉とあるのを目にして、なかなかエグイなあと思いました。
その歌舞伎座8月公演が発表されました。よく知らない演目が多いものの、キリが『裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)』。この「裏表」というのが聞き慣れないのですが、配役をみるかぎり『伽羅(めいぼく)先代萩』の亜流なのでしょう。有名なお家騒動がモチーフの演し物に、なんだか来月の参院選に向けて一波乱ある暗示かと思うのは考えすぎかな。
さて、勘三郎さんは7月にニューヨーク公演だそうで、その演目の一つが『法界坊(ほうかいぼう)』。ニッポンのお坊さんの株が下がらないことをただ祈るのみです。