国立能楽堂でお能「玄象」(げんじょう。流派によっては「絃上」)を見ました。
琵琶の名手・藤原師長(もろなが)が演奏を学びに唐へ行こうとしていると、日本にもかつて琵琶が上手だった村上天皇がいたことを知らされ、出立を思いとどまります。
いうなれば主役は伝説の琵琶、玄象と獅子丸。青山と合わせて三大名器だという。楽器は作り物として登場し音は出さないのに、まるで笛太鼓と一緒に音を奏でているような賑やかな舞台。設定が須磨の浦なので、源氏物語の世界も響かせているとか。
お坊さんは登場しませんが、八大龍王が出てきます。法華経に現れる守護神ですね。
ところで、そもそも海外留学をあきらめさせるのは何のためなのか。才能の流出を悲しんで? 航行の危険を恐れて? なんだかその前提が謎です。