仏報ウォッチリスト

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 總持寺名宝を見た

神奈川県立歴史博物館で特別展「曹洞宗大本山總持寺 名宝100選」を見ました。
總持寺が鶴見へ移転して100年を記念する展覧会。曹洞宗開祖の道元禅師から数えて四代目の瑩山紹瑾禅師が能登に開いた總持寺は、明治31年の火災を契機として現在の地へ。能登に600年で関東に100年の間に、同寺の発展に寄与した人物として展示に出てくるお名前は、太祖の瑩山紹瑾禅師、二世の峨山紹碩禅師、能登藩主の前田利家公、実業家の村井吉兵衛氏、日本画家の加山又造氏。
まずは瑩山禅師の貴重な直筆、縦長な字面は道元似か。つづいて輪番制など同寺の基礎を築いた峨山禅師の紹介。このお二人の肖像画が、製作年代の違いがあるとはいえ、対照的な風貌です。總持寺の一大スポンサーといえば江戸時代は前田家。移転後はたばこ王と呼ばれた村井吉兵衛から仏像などの寄進がありました。移転80周年記念の散華の下絵を描いた加山又造は信徒総代だったそうです。
意外に面白かったのが現代の仏具。手磬、戒尺、払子、如意、笏なんて普段まじまじと見る機会がありませんからね。白いビニール紐で編んだ草履というのも意表をつかれます。
大本山とはいえ取り澄ましていない親しみを總持寺の寺宝に感じました。