仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

「ゆく年くる年」2015

2015-2016『ゆく年くる年』NHK総合、12月31日、23:45〜翌0:15

〔テーマ〕「笑顔のあすへ 希望の灯(ともしび)」

〔中継地〕
福井・永平寺
三重・伊勢神宮(キーステーション)
茨城・報国寺
宮城・上山八幡宮
島根・円成寺
滋賀・比叡山延暦寺
——————(ここで年越し)
三重・伊勢神宮(再)
愛媛・道後温泉
佐賀・今右衛門窯/泉山磁石場
福島・廣徳院
北海道・新函館北斗駅
三重・伊勢神宮(三)
ブラジル・リオデジャネイロ

参考:昨年の「ゆく年くる年」 http://buppo.hatenablog.com/entry/20141231/p1

2015年12月の展覧会

2015年12月に始まる展覧会から、日本およびアジアの文化・芸術・宗教に関連した内容のものをピックアップします。引用文は主催者サイトからの抜粋です。(情報収集にあたりましては、観仏三昧さんのデータを参考にさせていただきました)

サントリー美術館「水-神秘のかたち」12/16〜2/7
 水にかかわる神仏を中心に、その説話や儀礼、水に囲まれた理想郷や水の聖地など、水を源とする信仰に根ざした造形物を、彫刻、絵画、工芸にわたって展観することで、日本人が育んできた豊かな水の精神性を浮び上がらせようとするものです。特に篤い信仰を集めた龍神は、国宝「善女龍王像」など優れた造形性を有するものが伝わり、龍神の持つ神秘の玉―「宝珠」に関する作例とともに、本展の見どころの一つとなります。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_6/index.html

早稲田大学総合学術センター「日本古典籍の世界 和歌と神道-上野理旧蔵資料から-」12/4〜12/22
 上野理先生は、積年収集された古典籍の数々を、2006年に本学図書館に寄贈なさいました。中でも『中臣祓』を中心とする、中世・近世の神道関係の文献は、特異なコレクションと注目されます。そこで今回の展示では、「和歌」と「神道」を二本の柱に設定してみました。「和歌」と「神道」という、日本の伝統的な文化の基層となる世界を、今回の展示によってうかがい知ることができるでしょう。
http://www.wul.waseda.ac.jp/news/news_detail.html?news_no=570

国立歴史民俗博物館夷酋列像蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界―」12/15〜2/7
 フランス ブザンソン美術考古博物館からの帰国作品に加えて、日本各地の「夷酋列像」が一堂に。江戸〜幕末にかけての蝦夷地=北海道のイメージを見渡すまたとない機会。
https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/special/index.html#room4

京都国立博物館「さるづくし―干支を愛でる─」12/15〜1/24
 江戸時代には、伊藤若冲曾我蕭白長澤蘆雪といった錚々たる絵師が個性豊かな猿を描いています。とくに今回の展示では、生命感あふれる猿の姿を描き出し名手と謳われた森狙仙の作品もご覧いただけます。さらに、日本では見ることが難しかったテナガザルのほほえましい姿を描いた中世水墨画の名品や、物語に猿が登場する絵巻物、斬新なデザインの根付などが一堂に会します。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/project/2015_monkey.html

京都国立博物館「獅子と狛犬」12/15〜3/13
 獅子、狛犬ともに百獣の王ライオンの姿を写したもので、頭上に一本の角のある方を狛犬、無い方を獅子と呼びます。エジプト、中東地域では写実的なライオンの像が造られましたが、生息地から遠く離れた中国では姿が変わって唐獅子となり、それが日本に伝わりました。平安時代降神社や寺院の入り口、あるいはお堂に置かれ、境内や神仏の像を守護する役を担ったのです。10余対の獅子・狛犬を並べた空間をおたのしみください。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/floor1_5/f1_5_korekara/shishi_2016.html

京都国立博物館「地蔵と十王」12/15〜3/21
 ほとけの救済に預からなかった人は、死後生前の行ないを吟味する裁判を受けなければならない。その裁判長が十王で、初七日から三回忌までを十人の王が担当する。閻魔王はその中心的な存在である。判決によって生まれ変わる世界が決まるため、裁判を亡者に有利なものにするため遺族が回忌供養を行なうのである。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/floor1_2/f1_2_korekara/scu_20151215.html

京都文化博物館「日本のふるさと 大丹後展」12/5〜1/17
 「交流」、「伝説」、「霊地」、「生産」の4つのテーマを設定して、丹後の過去から現在までに生まれた数々の至宝をご紹介いたします。国内最古の紀年銘鏡である青龍三年銘方格規矩四神鏡、日本海を思わせるガラス玉、高級絹織物の丹後ちりめんなど多彩な品々が皆様をお迎えします。
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_kikaku_post/furusato_tango/

奈良国立博物館「おん祭と春日信仰の美術」12/8〜1/17
伝統ある春日若宮おん祭を取り上げ、絵画や文献史料等を通じ、おん祭の歴史と祭礼を紹介し、あわせて春日信仰に関する美術を展示する恒例の企画で、今年で10回目を迎えます。本年は、祭礼の間、若宮神が遷座する御旅所の御假殿にスポットを当てるとともに、平安時代の若宮社創建にまつわる上皇や貴族の動向を紹介いたします。
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2015toku/on-matsuri/2015on-matsuri_index.html

瀬戸内海歴史民俗資料館「小豆島霊場資料展」12/22〜2/28
小豆島八十八箇所霊場に関する絵図や絵葉書、パンフレット、古文書などを紹介します。
http://www.pref.kagawa.jp/setorekishi/exhib/project.html

大分県立歴史博物館「お釈迦さまと羅漢さん」12/22〜2/14
「羅漢」はお釈迦さまの弟子、仏教で最高の修行を終えた僧侶のことです。本展では、お釈迦さまと、お釈迦さまをとりまくさまざまな仏さま、個性豊かな弟子たちの姿を紹介します。
http://kyouiku.oita-ed.jp/rekisihakubutukan-b/ex/index.html

「一遍聖絵」展

特別展「国宝 一遍聖絵」を見ました。3館共同開催のうち、遊行寺宝物館は行けず、神奈川県立歴史博物館に1回、巻き替えがある神奈川県立金沢文庫は2回、加えてサテライト会場の東京国立博物館に1回。
一遍聖絵は遺品の少ない一遍上人の生涯が分かる史料であると同時に、自然や建物や人物の描写に優れた見飽きぬ絵画です。全巻展示ということで日ごろ引用が多い場面だけでなく、ただの田園風景などもじっくり見られます。沿道の木々から田舎の畦道、家々の屋根などまで丁寧に描いているのに驚嘆。でもやはり魅力は群衆描写でしょう。僧侶や武士、庶民やホームレスも巧みに描き分け、踊り念仏のような運動する肉体の捉え方も正確。人物の寸法は思いがけなく小さいのに、その人物の心情までもが伝わってくるようです。
全12巻を4巻ずつ分けて展示されていることで、観覧者が分散したのか行列はなく、1館ごとの分量がほどよくて集中も途切れません。説明の労が軽減されたせいか、そのぶん各館の個性が出ているのも特筆に値します。歴博は阿弥衣・鉦鼓・持蓮華・他阿真教坐像・骨蔵器など立体の資料が目を引きます。金沢文庫は手持ちの聖教で手厚い補足。聖徳太子から高野山善光寺まで何でもござれで、いつもながら隙がありません。会場入り口で二河白道を紹介し、冒頭に六字名号を揃えたのが聖絵の世界への導入としてお見事です。東博はセットから流出した第七巻の展示がメインですが、他の巻を模本で見せてくれるのが親切。絵柄がハッキリしているし、本物の絹製と模写の紙製の違いもよく分かります。
あえて印象で分けるなら、暦博は墓参や鎌倉入りの一悶着などリアルな歴史のひとこまという趣が強く、金沢文庫は熊野本宮での神託久美浜の龍など奇瑞めいた場面が心に残ります。
図録はほぼ全場面の画像、釈文の原文と大意を掲載する親切な造り。さらに金沢文庫はオリジナル図録も作成。でもこれらさえあれば観覧しなくて済むかというと、やはり現物を見た後では写真はのっぺり見えて味気なく感じます。あくまで展示を見た後の確認資料といえます。
しかし、嬉しいことに図録には専門家が寄稿した論考とコラムを多数掲載。そのテーマから研究者というのはどんな点に注目するのかがおのずと知れて興味深いです。テーマをいくつか挙げると、神社と一遍の関係、熊野権現が山伏姿であること、踊り念仏の始まりは墓前での呪法ではないか、遊行を季節の移ろいで描写、画家は三度描かれる四天王寺の関係者か、など。一作品からこれほどの情報が読み取れるのかと驚くばかりでした。
大きな博物館一館で企画していたらおそらく総花的になっていたところを、所蔵先の地元で分散開催したことで初めて見えてきたものがある有意義な企画だと思いました。

2015年12月の講演

東京近辺で12月に開かれる講演・講座をメモします。開催日順。詳細は各主催者または会場にお尋ねください。(12/2更新)


  • 第22回愛宕薬師フォーラム
     日時:12/2 14:00
     会場:別院真福寺地下講堂
     講師:諸橋精光
     演題:絵本・紙芝居で伝える仏の教え
     主催:智山教化センター


  • 成道会の集い
     日時:12/3 13:00
     会場:有楽町朝日ホール
     講師:堀澤祖門「枠を破る」
        舞の海秀平「可能性への挑戦」
     主催:東京都仏教連合会(詳細


  • 第25回佛教文化学会シンポジウム
     日時:12/5 13:10
     会場:大正大学3号館2階
     講師:弓山達也・鵜飼秀徳・名和清隆・長江曜子
     演題:地域社会と仏教 仏教文化の再発掘・創生
     主催:佛教文化学会 詳細




  • 東大寺東京講座
     日時:12/5 14:00
     会場:青松寺観音聖堂
     講師:平岡昇修
     演題:サンスクリット原典と共に読む般若心経(4)
     主催:東大寺


  • 摩天楼法話会
     日時:12/7 14:00
     会場:常円寺
     講師:大谷徹奘
     演題:幸せを邪魔する心の働き
     主催:日蓮宗東京西部社教会事務所(詳細



  • 南無の会辻説法
     日時:12/9 19:00
     会場:常円寺
     講師:市川智康
     演題:世の中のもの、みな法華経を説いている
     主催:南無の会



  • いのちを見つめる集い
     日時:12/10 13:30
     会場:江東区・正覚院
     講師:久郷ポンナレット
     演題:ガンディーのように、私はなりたい
     主催:仏教情報センター


  • 在家仏教講演会
     日時:12/12 10:00
     会場:大手町ビル
     講師:木村清孝
     演題:悟りと浄土 華厳思想とさとりの世界
     主催:在家仏教協会




  • 仏教カルチャー・セミナー
     日時:12/19 13:30
     会場:中野サンプラザ研修室
     講師:藤田一照
     演題:身心を調える道
     主催:日本仏教鑽仰会(03-3967-3288)



  • 第576回日曜講演会
     日時:12/20 10:00
     会場:武蔵野大学グリーンホール
     講師:淺田正博
     演題:どうして人を殺してはいけないかと問われれば
     主催:武蔵野大学



  • 第721回仏教文化講座
     日時:12/21 14:00
     会場:新宿明治安田生命ホール
     講師:山本浩「スポーツ界を取り巻く現代の法則」
        稲垣泰一「西国・四国霊場巡り事始」
     主催:浅草寺


  • 仏教聖典を生活に活かす会
     日時:12/24 13:30
     会場:仏教伝道センタービル7F
     講師:一島正真
     主催:仏教伝道協会


2015年11月の展覧会

2015年11月に始まる展覧会から、日本およびアジアの文化・芸術・宗教に関連した内容のものをピックアップします。引用文は主催者サイトからの抜粋です。(情報収集にあたりましては、観仏三昧さんのデータを参考にさせていただきました)


一関市博物館「修験の世界」11/21〜1/11
 栗駒山(須川岳)と里宮(駒形根神社)と修験のかかわりについて紹介。
http://www.museum.city.ichinoseki.iwate.jp/news/article.php?p=130

國學院大學博物館「神仏・異類・人-奈良絵本・絵巻にみる怪異-」11/21〜2/7
 現実にはありえない不思議なこと〔怪異〕を描いた奈良絵本・絵巻を通して、物語のおもしろさや魅力を紹介します
http://www.kokugakuin.ac.jp/oard/museum_h27_kaii.html

東京国立博物館「一遍と歩く 一遍聖絵にみる聖地と信仰」11/3〜12/13
 当館所蔵の国宝「一遍聖絵」巻第7と江戸時代に狩野派の絵師によって写された模本を手がかりに、一遍が訪れた聖地やその背景にある信仰に関連する絵画、彫刻、考古遺物を紹介します。一遍とともに諸国の社寺を巡るような気持ちでご覧いただけますと幸いです。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1255

根津美術館「物語をえがく-王朝文学からお伽草子まで-」11/14〜12/23
 伊勢や源氏の王朝文学から平家物語、曾我物語、西行物語、そして酒呑童子をはじめとするお伽草子まで、さまざまな物語を描いた多彩な形式の絵画作品を集めます。
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/next.html

三井記念美術館「三井家伝世の至宝」11/14〜1/23
 館蔵の国宝・重要文化財を中心に、現在は三井から離れ、他の美術館・博物館・個人等の所蔵となっている名品・優品もあわせて展示し、かつて三井家に伝世した至宝の数々を一堂のもとに鑑賞していただきます。
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index2.html

千葉県立美術館「香取神宮-神々を彩る美-」11/17〜1/17
 時代を超えて受け継がれてきた国宝や重要文化財,県指定文化財のほか,これまで紹介されることの少なかった近代美術の数々を一堂に展示し,香取神宮の神に奉げた美を4部構成でご紹介します
https://www.chiba-muse.or.jp/ART/katori_jingu/img/information.pdf

神奈川県立金沢文庫「国宝 一遍聖絵」11/19〜12/13
 第3会場となる県立金沢文庫では、高野山、熊野、四天王寺石清水八幡宮当麻寺の場面を描く巻二、三、八、九を展示します。
https://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenjiyokoku.html

神奈川県立歴史博物館「国宝 一遍聖絵」11/21〜12/13
 第2会場として四、五、六、十巻を展示。
http://ch.kanagawa-museum.jp/tenji/toku/next-hijirie.html

フェルケール博物館(清水港湾博物館)「遠江の古刹 可睡斎と富永コレクション」11/7〜1/3
 曹洞宗萬松山可睡斎は東海随一の禅修行大道場です。徳川家の信仰も厚く、将軍家からの拝領品も伝わっています。可睡斎住職には能筆家が多くいました。因孝越渓・西有穆山・秋野孝道ら可睡斎住職の書画も紹介します。
http://www.suzuyo.co.jp/suzuyo/verkehr/exhibition/index.html#151107

サンリツ服部美術館「和歌と物語の美のかたち」11/21〜1/31
 美術品を通じて伝えられた文芸の世界をご紹介いたします。「伊勢物語」「源氏物語」といった古典文学を、屏風や絵巻に描き、楽しみました。「三十六歌仙絵巻断簡」「弘法大師伝絵巻」「東北院職人歌合絵巻」ほか。
http://www.sunritz-hattori-museum.or.jp/schedule/next.html

大和文華館「花と鳥の楽園-花鳥を表した絵画と工芸-」11/20〜12/25
 花鳥画の範囲は広く、花、鳥のほか、樹木や草、虫、魚、小型の獣の組合せや単独のものも含みます。墨と彩色、写実と写意など、様々な技法・様式と関わりながら、時代や地域の好みを反映した花鳥画が描かれてきました。日本の花鳥画は、主に中国の影響を多く受けながらも、特色をもって展開します。時代や国、ジャンルを超えて豊かに展開した花鳥の美麗な世界をご覧いただきます。
http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/exhibition/hanatotorino_rakuen.html

和歌山県立博物館「仮面は語る」11/10〜12/6
 世界各地で太古より使用され続けてきた仮面。プリミティブ(原初的)な祭礼から洗練された仮面劇まで、その多くのシーンで、信仰を背景にした聖俗の接点として仮面が機能しています。仮面の多様な造形からその魅力を伝えるとともに、仮面に映し出されたきのくに―和歌山の歴史を紹介します。
http://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/kamen_kataru/frameset.htm

八幡市立松花堂美術館「ようこそ、神と仏の男山へ-石清水八幡宮太子堂の遺宝-」11/7〜12/13
 江戸時代の頃まで、石清水八幡宮を峰に頂く男山の中腹には「南無仏太子像」(聖徳太子二歳の像)を祀る太子堂がありました。明治の神仏判然令のもと、山中の仏教施設は取り払われましたが、「南無仏太子像」は大津の地に移され、奇跡的に現在まで守り伝えられてきました。「南無仏太子像」(お太子さん)と男山ゆかりの遺宝をご紹介する展覧会です。
http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev184

帝塚山大学附属博物館「東アジアのセン-その連続の美-」11/14〜12/19
 本学が所蔵する瓦コレクションのなかから東アジア各地の様々な?をとりあげ、その歴史と美しさを皆様にご紹介したいと思います
http://www.tezukayama-u.ac.jp/museum/special/2015/10/21/25.html

2015年11月の講演

東京近辺で11月に開かれる講演・講座をメモします。開催日順。詳細は各主催者または会場にお尋ねください。(11/1更新)


  • 摩天楼法話会
     日時:11/2 14:00
     会場:常円寺
     講師:藤田一照
     演題:仏教を学ぶ人生の方向づけ
     主催:日蓮宗東京西部社教会事務所(詳細








  • 第53回 禅をきく講演会
     日時:11/11 17:30
     会場:有楽町よみうりホール
     講師:木村太邦「嫌う底の法なし」
        野門光輪子「心豊かに暮らす高齢者のひとり住まい」
     主催:臨済



  • いのちを見つめる集い
     日時:11/12 13:30
     会場:江東区・正覚院
     講師:金岡秀郎
     演題:仏教における供養の意味
     主催:仏教情報センター



  • 在家仏教講演会
     日時:11/14 10:00
     会場:大手町ビル
     講師:阿満利麿
     演題:悟りと浄土 念仏と「真心」
     主催:在家仏教協会


  • 東大寺東京講座
     日時:11/14 14:00
     会場:青松寺観音聖堂
     講師:平岡昇修
     演題:サンスクリット原典と共に読む般若心経(3)
     主催:東大寺


  • 第575回日曜講演会
     日時:11/15 10:00
     会場:武蔵野大学グリーンホール
     講師:河智義邦
     演題:真宗の救いと大乗仏道 親鸞宗教的原体験の深まり
     主催:武蔵野大学


  • 川崎大師公開講演会
     日時:11/15 14:00
     会場:川崎大師教学研究所講堂
     講師:山陰加春夫
     演題:高野山開創1200年 その歴史と文化
     主催:川崎大師教学研究所



  • 興福寺文化講座
     日時:11/19 17:30
     会場:文化学園A館ホール
     講師:國樹彰「古建築の復元(中金堂の復元工事によせて)」
        多川俊映「奈良・祈り・心」
     主催:興福寺


  • 国際仏教興隆協会文化講座
     日時:11/19 18:00
     会場:JICA地球ひろば
     講師:小島裕子
     演題:日本文化の中に構築された「インド」 大仏を開眼したインド僧ボーディ・セーナの話から
     主催:国際仏教興隆協会



  • 仏教カルチャー・セミナー
     日時:11/21 13:30
     会場:中野サンプラザ研修室
     講師:藤田一照
     演題:(未発表)
     主催:日本仏教鑽仰会(03-3967-3288)


  • 仏教聖典を生活に活かす会
     日時:11/26 13:30
     会場:仏教伝道センタービル7F
     講師:ケネス田中
     主催:仏教伝道協会


  • 在家仏教講演会
     日時:11/28 10:00
     会場:大手町ビル
     講師:藤本淨彦
     演題:悟りと浄土 智慧と慈悲:法然
     主催:在家仏教協会


「慈光寺」展

埼玉県立歴史と民俗の博物館で、特別展「慈光寺―国宝 法華経一品経を守り伝える古刹」を見ました。奈良時代の創建とされる埼玉県ときがわ町天台宗慈光寺の寺宝をずらりと揃えた展覧会。坂東札所第9番として知られる観音堂の本尊千手観音立像は秘仏のため写真パネルで紹介し、御前立ち像を展示。

展示の中心はこのたび修理が終了した「法華経一品経」です。これは驚きの美品。鎌倉時代と推定されるものの、詳細は不明の装飾経。各巻の意匠がまったく異なり、展示の右肩に「書写次第(書き手の名)/見返し/界線/本文」などが手短に提示されているのが親切です。見返し絵は花や僧侶、葦手などが目を引きます。料紙は天地の挿絵はもちろん、本文の背景を三分割したり、箔を撒いたりと小粋なセンスにうなります。中でも驚いたのは経文の行を区切る界線の工夫。棒線を引くにも書くのと截金を置くのとがあり、さらに境界線が1本、2重、3重のまであります。3本も入れて野暮ったくならない処理が見事。

修理直後なのに文字がほとんど読めないものもあります。これについて図録には次のような解説があります。「界線や経文部に真鍮泥が使われ…製作当時には珍しいもので、いわば最先端の顔料として使われた可能性がある…真鍮は銅と亜鉛の合金で比較的加工が容易とされるが、時間の経過とともに酸化・腐食しやすく、紙を傷め、剥落する…経の装飾のために使われた材料そのものが経を傷めることになったとすれば、残念なことである」。

33巻のうち6巻は当初の経が欠けて江戸時代の後補。簡素な作りが目立ちますが、中には金箔を散らしたものもあります。これも含めて国宝指定。

同展は一品経の全巻公開が売りとなっていますが、展示期間の関係からか前後半で半分ずつの出陳となっているのは残念。またスペースの都合もあって各巻が会場内にばらけており、国宝に包まれる感覚に浸れないのははがゆくもあります。それでも未展示の経巻はパネルで見せて、会場外には修理の様子を伝えるコーナーを設けるなど工夫が随所にあり、一品経にフォーカスした演出は十分に満足のゆくものでした。関東にこれだけのものがあることを地元は誇りにして、もっとアピールしていいと思います。