朝日新聞11/22付朝刊27面(文化欄)の記事から抜粋します。
《攻める村上隆 米欧巡回の大回顧展スタート》
……最新作の「大仏オーヴァル」。高さ5.5メートルのアルミ鋳造で、プラチナ箔を施し銀に光る。正面から見ると、カッパが、高い台座の上で片脚を垂らして腰掛ける。だが、裏に回ると、その顔は一変。……多義的だが、平和・安穏と戦争・危機が一体となっている。
(中略)
……今なぜ、大仏か?
村上は「日本の彫刻史で一番輝いていた、12世紀の『慶派』の工房を考えた。当時の戦乱の世と現在は通じているのではないか。そして、アメリカは戦時下の国なんです」という。今年ニューヨークの画廊で発表した大作絵画も迫力ある「だるま」だった。IT関連やヘッジファンドによる長者ら瞬間を生きる者たちが、癒しや救いを求めていることを洞察しての戦略的選択とも見える。