仏報ウォッチリスト

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 誕生!中国文明展

東京国立博物館で特別展「誕生!中国文明」を見ました。黄河中流域の現河南省で出土した文物の展覧会。展示が編年体ではなくテーマ別なのが凝っています。「王朝」「技」「美」の三部構成。
「王朝」として幻の王国・夏(か)まで遡ったのが本展の特徴。紀元前2000年の文物が目の前にある。中国四千年の歴史という表現は誇張ではなかったわけです。展示品は漢代あたりまでの王朝を行き交います。
世界四大文明のうち途絶えず続いているのは中国だけだそうで、それだけに「技」は年を重ねて向上してきました。目を見張る技巧のアクセサリーや食器類。
「美」の部には、〈仏の世界〉というセクションがあります。永寧寺、龍門石窟、法王寺の像や仏具など。繁塔の磚仏は個々の完成度が高く、現地の塔壁面にはこれが7000個嵌め込んであるというのですから想像を絶します。
最後は書の展示。骨に刻まれた紀元前13世紀の文字に息を呑みます。我々が字を書くというとまずは紙と筆記用具を用意することから考えるのに、これは紙の発明以前、毛筆の使用以前の字ですからね。
展示物は青銅だの金銀だの石だのと重厚なものばかり。内容も決して軽くはありません。