東京近辺で2018年8月に開かれる講演・講座をメモします。開催日順。詳細は各主催者または会場にお尋ねください。(8/1更新)
- 特別講演会「仏教思想の役割と未来を考える」
日時:8/31 14:00
会場:東洋大学125記念ホール
講師:浅野孝雄「脳科学から見た仏教思想」
韓普光「大学教育における仏教思想の役割と未来」
主催:東洋大学国際哲学研究センター・日本印度学仏教学会(詳細)
矢来能楽堂の「花乃公案」公演で、お能「熊野(ゆや)」と「恋重荷(こいのおもに)」を見ました。
「熊野」は3回目。在原業平の歌を引くので伊勢物語かと思っていたら、作品のネタ元は平家物語と今回初めて知る。最初に見たときに親か夫かで翻弄される切ない物語に心を打たれたが、さまざまな形式の作品を見てきた今となっては、現在形の進行がやや物足りなく思えます。願いがかなうのが「あら嬉しや尊(とうと)やな。これ(清水の)観音の後利生なり」と理由づけるのは御都合主義すぎやしないでしょうか。
「恋重荷」は初見。タイトルそのままの重荷が作リ物として登場、後見さんが重そうに持ってきてビビりました。話は単純でかなわぬ恋が破れるという骨格で誰にでもわかるのですが、鑑賞教室で取り上げられるような内容ではありません。老いらくの、身分不相応の恋心と、見せしめの公開処刑、恨んで当たり散らし、それでも最後は女を守護すると誓うものの、どこまで信じてよいやら。衝撃の問題作です。
「恋よ恋われ中空(なかぞら)になすな恋、恋には人の死なぬものかは、無慚の者の心やな」
東京近辺で2018年5月に開かれる講演・講座をメモします。開催日順。詳細は各主催者または会場にお尋ねください。(5/1更新)
国立能楽堂でお能「高砂」を見ました。女性能楽師による、と銘打った企画で、シテとツレが女性、でも他は男性で、やはり全員女性というわけにはゆかないようだ。笛と小鼓は女性。
前場は住吉の松を尉、高砂の松を姥に人格化。ウトウトしていたら二人が舞台上に現れていて驚く。あひおいの夫婦ということでおめでたい場面。高砂は上代の万葉集、住吉は当代の古今集という趣向は実感しにくい。「それ草木心なしとは申せども花実の時を違えず 陽春の徳を備へて南枝花初めて開く しかれどもこの松は その景色とこしなへにして花葉時を分かず」。
後シテは住吉の神で、舞は若々しく力強い。「神と君との道直に 都の春に行くべくは それぞ還城楽の舞」。ひたすらめでたい。