9月に開かれる展覧会から仏教関連のものをピックアップしました。芸術の秋が近づいて全国的に活気を帯びてきたようです。(開催開始日順で並べてあります。情報収集に際しては、この分野で他の追随を許さない観仏三昧さんの「全国の展覧会情報」を参照いたしました)
- 「国宝信貴山縁起絵巻」
石川県立美術館 9月1日〜9月24日
〈古社寺保存法の公布110周年を機に、古社寺保存会で技師として終生、国宝及び特別保護建造物の調査、指定、保護に尽力した中川忠順の故郷・金沢で「国宝」中の国宝とされる「信貴山縁起絵巻」を一挙公開することになりました。この絵巻はこれまで、一巻ごとに、しかもその一部が公開されたことはありましたが、三巻同時に、全画面で展示されるのは史上初となります。〉
- 「密教の世界」
茨城県立歴史館 9月1日〜9月22日
〈歴史館所蔵の絵画資料の中から人物を描いたものを選び,絵画における人物表現の魅力を紹介します。また,真言宗・天台宗の寺院で用いられた法具や両界曼荼羅など,密教の世界を垣間見ることのできる作品を紹介します。〉
- 「空海マンダラ 弘法大師と高野山展」
北海道立旭川美術館 9月9日〜10月22日
〈世界遺産となった高野山から、金剛峯寺をはじめとする諸寺と高野山霊宝館の協力により、弘法大師空海の事績と仏教美術の名品を紹介。運慶や快慶の彫刻、曼荼羅、弘法大師自筆の書など、多数の国宝、重要文化財を含む約80点の作品で構成。〉
- 「弘法大師帰朝1200年記念 空海と九州のみほとけ」
福岡市博物館 9月15日〜10月29日
〈空海や最澄などの入唐僧が足跡を残し、対外交流の歴史と畿内の文化が織りなした北部九州の仏像と信仰の遺品約100点を紹介する。〉
- 「観音巡礼と那古寺 第2期 里見氏と那古寺」
館山市立博物館 9月16日〜11月5日
〈安房を代表する観音信仰霊場である補陀洛山那古寺は、中世以来地域有力者の庇護を受け、とくに里見氏からは安房支配の要として政治的にも保護を加えられた歴史がある。このたびの平成大修理を機会として、那古寺の信仰と歴史を紹介する。〉
- 「熊野信仰と東北 名宝でたどる祈りの歴史」
秋田県立博物館 9月23日〜11月5日
〈熊野信仰の成り立ち、東北地方におけるその受容のありかたなどについて、東北各地の名宝はもとより、熊野三山ゆかりの国宝・重要文化財を含む約300点の資料を展示します。〉
- 「祈りのかたち 中世南九州の宗教文化」
鹿児島県歴史資料センター黎明館 9月29日〜11月5日
〈県内外に残されている,特に中世仏教文化関連の遺物(古文書・仏像・経典類・仏画・考古遺物等),熊野や薩摩大隅の一宮等の資料も展示し,「祈り」をキーワードにして,鹿児島の中世宗教文化を総合的に描き出したい。〉
- 「新潟の仏像」
新潟県立近代美術館 9月30日〜11月12日
〈県内各地の寺社等では、古代から近世にいたるまでの優れた仏像が大切に守られてきました。仏像研究を専門とする水野敬三郎館長の監修により、国指定重要文化財・県指定文化財を中心とする仏像の名品を一堂にご覧いただきます。人々の祈りを受けとめてきた仏たち。震災からの復興を願っての特別開催です。〉