10月前半に開始する展覧会から宗教関連のものをピックアップします。
(引用文は各館サイトからの抜粋です。情報収集にあたりましては、観仏三昧さんのデータを参考にさせていただきました)
「像」の展示はあまり目立ちませんが、なぜか多いのが「画」です。先月の奈良博もそうでした。この傾向は来月の鳥獣戯画全巻おでましへと続きます。
- 特別展 鎌倉北条氏の興亡
神奈川県立金沢文庫 10/4〜12/2
〈北条氏発祥の地である中世守山遺跡群の史跡北条氏邸跡の発掘調査の成果から、北条氏最後の発給文書や伊豆国北条に帰った一族の鎮魂の遺品まで、鎌倉幕府を主導した執権北条氏の200年の歴史を展示いたします。北条氏の故郷伊豆国や武家の都鎌倉とその周辺に残る文化財から、北条氏が鎌倉幕府を主導した時代を探ります。〉
- 東京藝術大学創立120周年企画 岡倉天心 ―芸術教育の歩み―
東京藝術大学大学美術館 10/4〜11/18
〈天心・岡倉覚三の行った美術に関する仕事は、美術学校の教育環境の整備や学生指導にとどまらず社会連携制作の推進、美術団体の支援、美術行政の整備のほか、博物館事業、美術史の編纂、評論、文化財保護など広範囲にわたっています。本展では、天心の学校在職期間の活動を中心に構成しながら、野に下って以降の仕事についても「芸術教育の歩み」という観点からとらえ直していきます。〉
- 特別展 鎌倉人の地獄と極楽
鎌倉国宝館 10/5〜11/11
〈地獄や極楽に関する中世の優品や、鎌倉における地獄や極楽に関する資料を中心に集め、鎌倉人(かまくらびと)−鎌倉時代を中心とする中世に生きた人々、そして鎌倉地方という地域に生きた人々−の捉えた地獄と極楽の諸相をたどってみたいと思います。〉
- 細川護立の閃き ―世界が注目した中国美術―
永青文庫 10/6〜12/24
〈横山大観ら近代日本画家のパトロンであり、白洲正子に古美術を指南した人物として、いま改めて注目すべき細川侯爵家16代・細川護立(1883〜1970)は、国内外の優れた美術品を蒐集した稀代のコレクターでもあります。なかでも中国美術は護立にとって思い入れが深く、書画はもとより陶磁器、出土品に至るまで幅広く蒐集しています。〉
- 世界遺産登録記念特別展 熊野本宮大社と熊野古道
和歌山県立博物館 10/6〜11/25
〈紀伊路・中辺路と呼ばれた熊野参詣道沿いに残された数多くの文化財を紹介するとともに、熊野詣の最初の目的地であった熊野本宮大社に伝えられた宝物から、人々が熊野に込めた思いとその歴史を明らかにします。〉
- 特別展 女性と祈り ―信仰のすがた―
滋賀県立琵琶湖文化館 10/6〜11/18
〈女性の信仰に関する作品のうち、とくに近江に伝わる彫刻や絵画、書跡、工芸作品を<女性としてあらわれた神仏><信仰する女人の姿><捨財・結縁する女性>の3つのコーナーで紹介し、確固たる経済基盤を背景に神や仏と積極的に関わろうとした女性の姿を浮き彫りにします。〉
- 木版画東西対決 ―仏教版画から現代まで―
町田市立国際版画美術館 10/6〜11/25
〈木版画の多様性を「日本と西洋」という視点でくらべ、表現の違いと互いに与えた影響を考えてみたいと思います。出品作品は約200点。奈良時代の仏教版画や15世紀の西洋初期木版画、北斎・広重の浮世絵にデューラーの木版画、日本近代の創作版画とムンクやカンディンスキーら巨匠たちの独創的な表現、そして21世紀の作品まで、まさに百花繚乱。〉
- クマグスの森 南方熊楠の見た夢
ワタリウム美術館 10/6〜2/3
〈展覧会第一章は「世界を放浪する」。第二章は「熊楠の内的宇宙」。第三章は「森の命」。熊楠の博物学者、民俗学者、植物学者としての功績は既に広く知られている。しかし自由で奔放な生き方をたどるとき、熊楠の研究が権威にしばられた既存の学問とは一線を画したものであったことが分かってくる。〉
- 開館15周年記念 入江泰吉と奈良を愛した文士たち
奈良市写真美術館 10/6〜12/24
〈近代の作家たちが何度も訪れ歩き表現してきた大和の新しい美の発見と感動を綴った名文の一節を取り上げ、影響を受けた入江泰吉のカラーとモノクロ作品で紹介します。〉
- 特別展 生誕290年 木喰展 ―庶民の信仰・微笑仏―
明石市立文化博物館 10/6〜11/4
〈木喰は、大正時代の民芸運動家・柳宗悦に再発見され、以来多くの人々を惹きつけてきました。本展では、各地の現存作品の中から、木彫仏をはじめ、、書画などの資料も交えた約140点を展観し、庶民の信仰の中で守られ続けた「微笑仏」の魅力を探ります。〉
- 特別陳列 妙興寺文化財展
一宮市博物館 10/6〜10/14
〈臨済宗の古刹妙興報恩禅寺の所蔵する文化財は、一宮市内の国・県・市指定文化財302件のうち66件を数えます。今回は、その文化財の一部をご紹介します。〉
- 特別展 明通寺1201 ―坂上田村麻呂と若狭―
福井県立若狭歴史民俗資料館 10/6〜11/4
〈若狭明通寺に残された彦火々出見尊絵巻など明通寺の沿革を象徴する多数の文化財を初めて公開する。この中で同寺の絵巻がかつて伝来した「松永庄新八幡宮」の所在を紹介できればと考えている。〉
- 特別展 法隆寺一切経と聖徳太子信仰
大谷大学博物館 10/9〜11/28
〈法隆寺一切経は平安時代末期の代表的な写経による一切経(経・律・論などの仏典の一大叢書)です。本展覧会では、本館所蔵の法隆寺一切経を中心に、書写の事情とその特徴を紹介します。〉
- 企画展 長岡京遷都 ―桓武と激動の時代―
国立歴史民俗博物館 10/10〜12/2
〈古代日本において律令国家の転換点となった8世紀末から9世紀初めの桓武朝を中心とする時期に焦点をあて、その前後で国家と社会がどのように変化していったかを王権と都市(都城)をテーマとして展示します。本展示は歴博の公募型共同研究「律令国家転換期の王権と都市」の研究成果を分かり易いかたちで示すことを大きな目的としています。〉
- 特別展 大徳川展
東京国立博物館平成館 10/10〜12/2
〈徳川将軍家、尾張・紀伊・水戸の徳川御三家、さらに久能山・日光・紀州の東照宮、また寛永寺や増上寺といった徳川家ゆかりの地に伝えられた宝物を一堂に。鎌倉時代以来の武家による治世の掉尾を飾る徳川家の時代について、その成り立ちから終焉までを「将軍の威光」「格式の美」「姫君のみやび」という3部構成で多角的に紹介するものです。〉
- 制作工程模型 廬舎那仏のひみつ
東京国立博物館表慶館 10/2〜3/30
〈唐招提寺金堂の本尊、高さ3mを超える「国宝 盧舎那仏」。じつは中は空洞になっています。この巨像を造りあげた脱活乾漆造の工程を、6分の1のサイズの模型で紹介します。〉
- 修理完成記念特集陳列 釈迦誕生図 ―受け継がれる朝鮮仏画の名品―
九州国立博物館 10/10〜11/18
〈本岳寺所蔵の釈迦誕生図は、仏伝図の内の釈迦誕生の場面を1幅に描くもので、朝鮮仏画の最高傑作として知られています。その図像は、本岳寺本を元にして、模写されたり、木版印刷されたりして、江戸時代の日本において広く流布したことでも注目されています。本展覧会では、平成17年度から2ヵ年にかけて実施された釈迦誕生図の修理完成を記念して、関連作品と修理経過や伝来を示す資料を展示します。〉
- 玉手箱4 法衣 ―墨染と金襴―
佐賀県立博物館・美術館 10/11〜11/25
〈(詳細情報なし)〉
- 企画展 寺と人々 ―寺院史料が語ること―
大分県立先哲史料館 10/11〜11/18
〈寺に残された古い文書や記録は、地域に生きた人々の様子を語っています。それらの古文書からは、寺院に篤い信仰を寄せる武士の姿、寺院の管理下に置かれる民衆の姿、そして寺院を出て活動の場を広げる僧侶の姿が浮かび上がります。そのような寺院の多様な姿を、展示史料から読み取ってください。〉
- 開館四十周年記念特別展 珠玉の宋元仏画
神奈川県立歴史博物館 10/13〜11/25
〈中国、宋元時代に制作され、海を越えて日本にもたらされた羅漢図や十王図など、国宝、重要文化財を含む約130点の舶載仏画をご覧いただきます。なお、本展にあわせ今年3月に修理が完了した当館所蔵の十六羅漢図(重要美術品)全十六幅を公開します。〉