仏報ウォッチリスト

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 菩薩たちの夢を見た

神奈川県立金沢文庫で企画展「菩薩たちの夢」を見ました。
菩薩と聞いて、ああ慈悲ね、利他行ね、という思い込みは、あまりに短絡的でした。菩薩の夢とは、とりもなおさず「仏になること」。そこを深く掘り下げた学究的な展示。恐れ入りました。
仏教史をたどる形の構成。これを安易にまとめようすると誤解を招きかねないのですが、いちおう展示の順序に沿ってキーワードを拾いますと、まず「釈尊入滅」から始まり、「弟子」「阿羅漢」、「破僧」「在家」「福田」と来てここに菩薩の芽生えを位置づけます。続いて菩薩とはどのような人なのかという“仮説”を挙げ、諸菩薩について例示。
こうした一連の解説を、図像はもとより、経典の一節を見せて、ほらここにそう書いてあると示していく。これは説得力があります。言葉で理解すべき面が少なくないので、さらに図録を読んで勉強したいと思います。