10月から開催される仏教関連の展覧会の予定です。開始日順に並べてあり、すでに始まっているものもあります。おそらく年間を通じて特別展の一番多い時期でしょう。なお、この情報収集に際しましては、観仏三昧さんの展覧会情報を参考にさせていただき、各館サイトに掲載された説明文を抜粋しました。
- 「仏像 一木にこめられた祈り」
東京国立博物館 10/3〜12/3
〈奈良・平安仏から江戸時代の円空・木喰まで、一木彫の名品が上野に集結します。国宝4体、重要文化財41体を含む146体をご覧いただきます。日本人がこだわった木で仏像を造ることの意味を考えるとともに、そこで培われた良質な木の文化を通して日本人の心や精神性に触れることができるでしょう。一木彫は、大地に根を張った生命力あふれる木から造られた仏像です。拝する人を圧倒する力にご注目ください。〉
- 「若き日の長谷川等伯 大法寺重要文化財仏画と新発見作品」
高岡市美術館 10/3〜10/26
〈昨年、当館は富山県高岡市・大法寺所蔵の日蓮宗本尊曼荼羅5幅(うち4幅は長谷川信春〔等伯〕筆・国指定重要文化財)の寄託を受けました。これを機に「若き日の長谷川等伯」展を開催し、同作品や未公開作品などにより、初期等伯の絵仏師としての活動を紹介します。また、石川県七尾美術館のご協力により、同館所蔵作品ならびに寄託作品も展示します。〉
- 「仏画 祈りの図像」
京都市立芸術大学芸術資料館 10/3〜11/5
〈本学で開催される「京都国際会議2006芸術がデザインする平和のかたち」にちなみ,こころの平和にスポットをあて,信仰の絵画としてなじみの深い仏画の展示を行います。会場には中世の古画や模本,図像とよばれる白描絵画と版画を展示します。両界曼荼羅や如意輪観音像など,現世での平安を求める祈祷,修法に用いられた絵画あり,当麻曼荼羅や来迎図のように来世での平安を託す絵画ありと,人の心の有様を映し出します。また,京都六角堂境内にあった能満院旧蔵の仏画粉本から、白描図像や版画を展示しています。〉
- 「霊験仏 鎌倉人の信仰世界」
神奈川県立金沢文庫 10/5〜12/3
〈本展覧会第一部では鎌倉幕府創始以後、霊験仏信仰がその周辺でどのように伝播・移入・展開されたかを、日本有数の霊験仏である善光寺阿弥陀如来、長谷寺十一面観音、清凉寺釈迦如来などへの信仰に注目することにより明らかにします。また第二部では、鎌倉独自に展開した霊験仏信仰について、数々の霊験仏を制作したとされる仏師運慶の活動と、中世の霊験仏信仰に特有な、仏が実際に我々の眼前に現れる、いわゆる「生身仏信仰」に着目することにより、その信仰の様相の一端を明らかにしたいと思います。〉
- 「鏡像の美 鏡に刻まれた仏の世界」
大和文華館 10/7〜11/12
〈鏡の表面に仏や神の姿を刻んだ鏡像。その神秘的な美しさを、10世紀以降の鏡像と絵画によって東アジアの広がりの中から見ていきます。〉
- 「天台を護る神々 山王曼荼羅の諸相」
大津市歴史博物館 10/7〜11/19
〈天台宗では、法華経と密教を中心に教学の研究が盛んに行われ、延暦寺や園城寺では多くの宝蔵がつくられ、夥しい数の史料や聖教が書写されました。また、寺や教学の護法神として日吉社や赤山明神、新羅明神などがあらわれ、神仏習合の様々な美術や史料が造られました。本展では、天台宗の宝蔵と護法神にスポットを当て、一般には触れることの少なかった天台宗の歴史の一端を紹介します。〉
- 「海の神々 捧げられた宝物」
九州国立博物館 10/8〜11/26
〈この特別展では海の神々をテーマに取り上げます。日本は周囲を海で囲まれていますので、外国の文化は波頭を乗り越えた人々の往来によって伝えられました。航海を担ったのは海の民でした。波や風から身を守り、無事に辿り着くため、また、海の幸を願って海の神々に祈りと感謝の気持ちを捧げてきました。全国の津々浦々に祀られた神々には、絶えることなく捧げ物が供えられてきたのです。〉
- 「大拙 その人と学問」
大谷大学博物館 10/10〜11/28
〈本年は没後四十年にあたり、ゆかりの鎌倉・金沢・京都で「鈴木大拙没後四十年記念展」を開催することとなりました。京都では、本館を会場に、大拙の生涯を通して、その人となりと学問を紹介します。〉
- 「祈りのかたち 甲斐の信仰」
山梨県立博物館 10/14〜11/20
〈力強さの中に大らかな息吹を感じさせる、如来。繊細で優美な菩薩。そして、忿怒の形相を以って人々を力強く導く明王。甲斐の人々は、実に多彩な神仏を生み出し、祈りをささげ、思いを託してきました。本展では、十数点に及ぶ国指定重要文化財をはじめ、県内有数の仏教美術の精華である 「祈りのかたち」が一堂に集います。〉
- 「良寛と慈愛の世界展」
敦井美術館 10/16〜12/19
〈越後が生んだ偉人・良寛の書を中心に、その良寛さまを敬愛する会津八一やこしの千涯らの書画と良寛像なども併せて展示し、良寛さまの世界を楽しみたいと思います。〉
- 「み仏の美とかたち 大分の仏教美術1400年の輝き」
大分県立歴史博物館 10/20〜12/3
〈緑の山並みを背に豊饒の海に面した大分県は、古くから特色ある歴史・文化の流れを形成してきました。当館の開館以来25周年にあたる本特別展では、こうした大分の地に花開いた仏教文化の流れを、その成果である仏教美術、なかでも人びとの信仰・礼拝の対象としてつくられ安置された仏像や絵画を中心に紹介します。〉
- 「比叡山と東海の至宝 天台美術の精華」
名古屋市博物館 10/21〜12/3
〈本展は、総本山比叡山延暦寺および東海地方の天台宗寺院がはぐくんできた天台の至宝を一堂に会するとともに、当地方の歴史との関わりを探るものです。比叡山からは伝教大師の書跡をはじめとする国宝・重文が多数下山し、また初公開となる東海地方の本尊・秘仏が多様な天台の教えを語りかけてくるでしょう。〉
- 「元禄の高僧 浄厳と蓮体 河内から江戸へ」
河内長野市立郷土資料館 10/21〜12/17
〈河内長野の歴史に名前を残す人々のうち、江戸時代の河内長野に生きた2人の人物を取り上げます。河内国錦部郡鬼住村(現河内長野市神ガ丘)に生まれ、5代将軍綱吉にあつく帰依された高僧、浄厳和尚とその弟子で同じく清水村(現河内長野市清水)に生まれ、『浄厳大和尚行状記』を記した蓮体和尚をご紹介いたします。〉
- 「第58回正倉院展」
奈良国立博物館 10/24〜11/12
〈今年の正倉院展の宝物は、聖武天皇の業績を物語る品や遺愛品が多く含まれる点に特徴があります。本年は聖武天皇の1250年目の御遠忌に当たります。天皇の崩御より四十九日目に、お后の光明皇后が天皇遺愛の品々600点ほどを東大寺大仏に献納しました。この宝物は正倉院宝庫の北倉に収納され、やがて正倉院宝物を形作る核となりました。今年は正倉院宝物成立にとっても記念すべき年であると言うことができます。〉