仏報ウォッチリスト

ここは仏教の最新情報、略して《仏報》の材料をとりあえず放りこんでおく倉庫です。

 高僧の書に囲まれて

協会企画の「播磨・吉備路の古寺を訪ねて法話を聞く会」初日。
とその前に、集合が新神戸駅11時45分なので、午前中を有効に使って1人で寄り道をしました。
昨日は東京で通常の業務をしていたというのに、瞬間移動の術を使って (^^;) 今朝は7時前に京都駅前に降り立ちました。寒っ。
とりあえず座るところがほしいと東本願寺へ。朝のお勤めと法話を聞きました。街が動き始めた頃、東山に向かって歩き、目的の京都国立博物館に到着しました。でも開館までまだ1時間あまり。通り過ぎた先の智積院と妙法院の境内をぐるっと巡ってから入館。
お目当ては特集陳列「高僧の書」です。許された1時間で眼に焼き付けるように見つめてきました。印刷物で目にする作品ばかりですが、やっぱり本物の力は圧巻です。解説にもあるとおり〈人目に触れることを意識せずに書かれた〉ものだけに、気取ったところがなく人間味あふれる筆跡。なにより、お祖師様方の直筆が集められたこの一室の頼もしさといったら。
ことに目を引いた作品の一つは「法然上人七ケ条制法」。念仏者が守るべき条文にずらりと弟子たちが署名しています。もう一つは明恵筆「大唐天竺里程書」。これ、長安から王舎城まで距離八千里だから、一日八里歩けば千日で着く、などと計算しているメモ書きなんです。今日の旅と引き比べては失礼ですけど、こういうプランを練っている時の胸の高鳴りが聞こえてきそう。明恵上人への親しみがにわかにわきました。
当展の図録類はなし。ですが、複写にがっかりするよりは、かえって良かったかも。タイムリミットの10時半に泣くなく出てきて、急ぎ京都駅から集合地へ向かい、何食わぬ顔で皆様と合流。
続きはあとで。