あちいですねえ。
こういうときは、そうですね、仏教的にはやっぱ、坐禅かな。
何もこんなときに、と思うでしょ。でもこれがイイのですよ。
私はけっして出家僧の方々のように毎朝毎晩取り組んでいるわけではありませんが、今月は初旬に機会あって禅寺で坐り、その効能がいまだ持続している感があります。
暑い最中の坐禅、手も足も出ない体勢ですから吹き出る汗は流れるに任せるしかない。……しかし、こうやってじっとしていますと、やにわにかすめる一陣の涼風の、なんとも肌に優しいこと。そう感じたら、もう悟りの一歩手前、な気がしてきます。
くわえてこの時季には、とぎれなく降りそそぐ蝉時雨。よけいなノイズを掻き消してくれるこの空間に身を沈めている心地よさったら！ 一心に鳴き続ける蝉たちはけっこう仏さまに近いんじゃないかなあ、とか思ったりして。
そういえばかつて、鈴木大拙師の訃報を知らせるアナウンサーが、原稿の「禅」を読み違えて「蝉の研究で有名な……」と同師を紹介したとか（出典：Wikipedia）。字づらも似ている彼らに何とかあやかりたいものです。
