仏報ウォッチリスト

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 「円空・木喰展」

横浜のそごう美術館で「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」を見ました。それぞれ約80件ずつ。複数体を一組の1件で数えているので、いったい合計で何体おでましなのか。これでもかのオンパレードでお腹一杯。
前半が円空。冒頭に等身大3体、その裏手に螺髪まで彫った丁寧な作りの釈迦如来、藤原仏の顔と手を補修した菩薩像、抽象的な護法神と大黒天、塔婆のような木端仏、素材そのままの不動明王。とことん融通無碍、しびれる。
後半が木喰。うまい、丸みがやさしい。安定感と微笑みの具合は抜群。だが円空を見た後ではやや形式的。分が悪い。
そもそもこの二人の作家を並べる意味があるのでしょうか。比較するならもっと自由に両作品を比較対象したほうが面白いでしょう。時代が近い、僧侶が修行の一環で木を題材として量産した像、といった接点はあるものの、前後が断絶している構成のせいで見落としてしまった面も少なくないようです。